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旧エクリプス(ゼロの使い魔編)

作者:cipher
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第38話 宝探し(中編)

ブリミル暦6242年 アンスールの月 エオローの週 ユルの曜日
皇紀2800年 7月18日 トリステイン王国 フォンティーヌ領 伯爵邸

ルイズ一行は昨晩の歓迎会の後、伯爵邸に泊まった。
朝食の後、いよいよ正輝との対面である。

Side マリー・ルイゼ・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ

昨晩は楽しかった。タバサやキュルケ、モンモランシー、ギーシュ、シエスタなどの原作組と対面出来たのだ。生のシルフィードも見れた。
お母様が正輝(まさき)を抱っこしてリビングに現れた。正輝は三つ下の弟である。今年生まれたばかりである。

「あう。」

「「「可愛い。」」」

正輝が女の子達に囲まれている。女の子達が代わる代わる、正輝を抱きかかえていた。正輝は物怖じしていない。きっと将来は大物に成るだろう。
玄関のチャイムがなり、カリーヌお祖母(ばあ)様がロランを連れてやって来た。ロランはルイズ叔母様の5歳下の弟である。
来た早々に正輝の所に行っている。何時もの事だ。

「ルイズ、ユメ後で修練状況を確認します。時間を開けときなさい。」

「はい、お母様。」

お祖母様の訓練に付いていけるのは、ルイズと夢ぐらいである。
一時の間、皆は正輝と戯れていた。私も仲間に入っていたが、精神年齢が20歳の私には子供扱いされるのが苦手である。私が転生者であることは、両親は知っている。最初に気付いたのはお母様である。普段はおっとりしているが、妙に勘が鋭い。両親は私が転生者であると知っても、別に驚かなかった。お父さんは並行世界の同じ遺伝子を持つものは、魂の根源で繋がっていると教えてくれた。普段は上層意識によって魂の記憶が読取れないと言う。生まれながらに前世の記憶を持つ者は少ないと教えてくれた。それとゼロの使い魔の世界に介入したのは、曽祖父であることも教えてくれた。謎が解決したのだ。それからは私は、私らしく生きれば良いと納得した。
因みに正輝の本名は、マサキ・アレクサンドライト・イチジョウ・ド・ラ・フォンティーヌである。瞳の色がアレクサンドライトの宝石の様に輝いているのだ。

今は魔法の訓練場に来ている。これからカリーヌお祖母(ばあ)様とルイズと夢叔母様の模擬戦が始まろうとしていた。

「ぷっ。」

カリーヌお祖母(ばあ)様も魔法少女みたいに変身している。みためは20代後半であるが、どう見ても魔法少女には見えない。あえて言うならば魔法塾女である。
模擬戦は凄いの一言であった。両者共、多彩の魔法を繰り出している。

「ここまで、ルイズも夢も良い修練を積んでいるようですね。」

カリーヌは平然と立っているが、ルイズと夢は少し息を切らしていた。

「「はっ、はい。」」

「次からは魔法の負荷装置を外して良いみたいね。」

観客は唖然としている。カリーヌはルイズと夢を相手に魔法負荷装置を付けて相手していたのだ。
一行は魔法模擬戦を終えて母屋に戻る。

Sideout

休憩を挟んで昼食を食べる。一息ついたところで宝探しの再開である。


Side ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール

「でこれからどうするの?」

「お義兄(にい)様の裏庭から自然公園へ繋がっているの。そこに喋ることが出来る小さな獣がいるの。小さな獣に道を尋ねよってカードに書かれていたのよね。多分間違いないわ。」

キュルケの問いにルイズが答えた。

「それじゃ出発ね。」

夢が先導して一行は自然公園に向かった。
歩いて30分小さな森が見えて来た。

「この辺は自然公園の入り口なの。小動物しかいないわ。一般に公開されている、遊歩道はドームで囲ってあるの。人間がドーム内を歩くのそれでも4時間ぐらいかな?休日は街の人達の憩いの場になっているわ。自然公園に直接入れるのは、伯爵家の人と自然公園の管理人ぐらいだわ。」

「へぇ、動物園と逆なのね。」

「動物園って、何ですか?」

「モンモランシーは動物園行った事がないの、トリスタニアにもあるけど、フォンティーヌ領の動物園はトリステインで一番大きいわ。珍しい動物達が見れるよ。水族館もあるから後で皆んなで行ってみよう。」

キュルケとモンモランシーの会話に、夢が説明した。

「ここよ、ここが彼らの縄張りよ。エコーいたら出て来て頂戴。」

夢が呼びかけるとイタチに似たエコーが何匹か現れる。その内の一匹がカードを加えている。

「やっぱり、お祖父(じい)ちゃんがエコーに頼んでいたのね。」

夢は集まったエコー達に、持ってきていた果実の実を配る。

「アリガト、ユメ。」

「こちらこそ、ありがとうなの。」

夢は一匹のエコーからカードを貰った。
そこには "N49.47, E2.27" と書かれていた。

「こらは緯度と経度ね。」

夢は携帯端末の地図で、該当する緯度と経度を調べた。

「やっぱり、正解ね。場所は学術研究都市のお祖父(じい)ちゃんの研究所だわ。」

「良し、明日にでも向おう。兄さんにはクルーザーを借りれるよう、頼んで見よう。今日のところは動物園と水族館にでも行こう。」

「賛成!」

司の提案に皆が賛成したところで、移動を開始した。

Sideout


ブリミル暦6242年 アンスールの月 エオローの週 ユルの曜日
皇紀2800年 7月18日 トリステイン王国 フォンティーヌ領 中心街

中心街の外れに動植物園と水族館ある。

Side ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール

大人数なのでバスで移動した。

「これが動植物園なのね。」

「凄い。」

初めて来たモンモランシーとギーシュは、入り口で貰ったパンフレットを見ながらはしゃいでいた。
シエスタは学術研究都市の学校の遠足で見た事があるので驚いていない。学術研究都市にはハルケギニアで一番大きな、動植物園と水族館があるのだ。
キュルケはツェルプストー領に同様の施設がある。逆にラ・ヴァリエールの領地にはない。フォンティーヌ領が元々ラ・ヴァリエール領から割譲されているので、交通の便が良く不自由しないのである。

「凄かったわね。見た事ない幻獣や動物達がいっぱいいたわ。植物も多かったしカサブランカの花も綺麗だったわ。新王宮がカサブランカから名前を取っているのが良く分かったわ。」

モンモランシーは興奮気味に話す。横ではギーシュが頷いている。

「余り興奮するとバテるよ。これから水族館も回るからね。
宝探しが終わったら、実家に帰省するまで伯爵邸に滞在すると良いよ。今回は急いで回ったので、全部じゃない。どうせ夢やルイズも滞在するから、一緒に泊まれば良い。兄の庭園には貴重な薬草なんかも植わっているし。」

「そうするわ。」

「僕も。」

それから水族館にも行った。

「凄く綺麗。まるで海の中に居るみたい。」

「熱帯の海にはカラフルな魚が泳いでいるからね。海の生物は1000万種以上いるから、水族館で展示されているのはほんの一部だよ。」

司がモンモランシーに説明している。その横ではギーシュが必死にメモを取っていた。学院が始まったら女の子を誘うつもりのようだ。そんなギーシュを見てルイズ達は陰で笑いを堪えている。
その後、イルカショーを見て水族館巡りも終った。
モンモランシーは綺麗な花々と熱帯魚が気に行ったようだ。ギーシュは様々な幻獣と水族館の大水槽の迫力が気に行ったようだ。

「今回はゆっくり出来なかったけど、フォンティーヌ領にはテーマパークや遊園地などの、娯楽施設があるから楽しんでね。」

「フォンティーヌは凄いと聞いていたけど、本当だったな。グラモン領も発展していっているけど、ここは特別だ。」

「ギーシュこんな事で驚いていては、明日行く学術研究都市見ればもっと驚くわよ。」

ルイズはフォンティーヌが褒められて自分の事のように誇らしげであった。

Sideout

夕食の席では今日見た話しで、持ちきりであった。
 
 

 
後書き
宝探し(中編)の話でした。
二日目が終了です。
スーパーカリンも登場しました。 
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