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『自分:第1章』

作者:零那
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『再開』

娘も、特にストレスや負担など無いように思えた。
家での様子や夜泣きなどの変化も特に無かったし。
ただ、姑の立場としては不満があったらしい。
休みの日に孫と遊べんってゆう不満が。
休みが平日やから。

ユウには内緒で小遣いあげてた。
好きなモノ買ったり、交友関係も自由になったり、飲み代も気にせず楽しんだりしてた。

どんなことして稼いでいようが金は金。

ユウを縛り付けたいわけじゃ無かったから、旦那が惨めなんは嫁としてイヤやった。
それに、両親の誕生日、父の日、母の日...そぉゆう、当たり前の様に普通の家庭がしてる感謝の意のプレゼントを、零那もチャントしたかった。

零那がしてる風俗は犯罪なわけじゃ無いし...。
罪悪感はあるけど、今の零那には此しかない。
世の中の人から蔑まれる職種だとしても、必要枠やから存在してる。
それに、此の世界汚いだけじゃないのも解ってるから。
チャント誠意を持って一生懸命サービスしてるつもり。
決して、ラクして稼いでるわけじゃ無い。
心開いてるリピーターサンの場合は、そりゃラクさしてもらってる人もいるけど...。
手を抜いてるわけじゃ無いし、チャント向き合ってるつもり。
その人その人に合わした付き合い方を学んでるつもり。


大阪の社長さんと久しぶりの再会。
たまに公衆電話から連絡してた。
娘のことも話してた。
いろんな話も聞いてもらってた。
それでも気持ちは変わらんって。
助けれることは助けるからって。
いつでも頼って来いって。

零那は、何か間違ったかな?
この人に甘えて頼って生きていけば、人生ラクになれるんちゃうかな?
でもそれはやっぱり間違いよね。

甘えてしまうのは、たぶん自分が思うよりも簡単なんやろうな。
だからこそ怖いんやろうな。
本気で大事な存在を困らせたり、負担を強いる事はイヤ。
この人の事は、恋愛対象じゃないけど好き。
努力を怠らなくて誠実で、他人を内側から見ようとする姿勢が素晴らしい。
真面目やけど冗談も言う柔軟さが羨ましい。
凄く心が穏やかで懐が暖かく、器が大きい人。
この上なく理想の男性像やと想う。
だからこそ零那みたいな奴が利用して良い相手じゃ無い。
白の人を黒に染めるほど悪趣味じゃない。
妙な荷物を背負わしたくない。
チャントお似合いの女性と幸せになって欲しいから、今迄の事を話した。
聞けば離れるだろうと思ったから話した。
でも、驚く様子もなく、軽く受け入れた...。

何か裏があるんじゃないかと疑ってしまうほど、すんなりと...
それが逆に怖いと感じてしまった。
拒絶するのが普通だと自負してる。
やのに、拒絶どころか受け入れるって...有り得んし!!

最後に『これからもずっと呼ぶからブラックリスト入れんといてな!!』って、笑いながら言って手を振った。
このとき『愛される』事の幸せとゆうか喜びとゆうか...優しい温もりを感じてしまった。
大事に優しく想われる大人な愛され方ってのは慣れてない。
正直、すごく複雑だった。
自己中で一方的な愛なら壊しようがあるんやけど...。

 
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