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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

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同居人

一日の授業が全て終了し放課後なったので、閃輝は懐からメディアプレイヤーを出して音楽を聴き始めた
聞くのはプリズムリバー三姉妹の曲、外界だと聴く事が出来ないでの、闇夜が録音しにとりに貰ったプレイヤーに
入れてもらったのだ。

「~♪~」

目を閉じて静かに音楽を聞く。因みに閃輝は稀に三姉妹に混じって演奏をしたりしていた

「ああ!良かった・・・まだ此所に居ましたか・・・」

副担任である山田先生が肩で息をしながら教室に入って閃輝のそばに寄る

「どうしたんですか?取り敢えず息を整えてください」

山田先生は、その言葉に甘えて大きく息を吸って吐き出すのを数回し息を整えた

「ふぅ・・・もう大丈夫です」
「そうですか。それで何の用ですか?」
「ああそうでした!霧雨君の部屋が決定しました!」

閃輝は山田先生の話を聞いて一瞬なの事だか理解出来ないが、少しして言葉の意味を察しした

「ああ。そう言えばここって寮制でしたね・・・でも荷物はどうしよう・・・」

幻想郷から外界へ来る時は幻想郷の物は最低限持ってきていないが
荷物の中には闇夜と魔理沙でとった大事な家族写真などがある、それを聞いた山田先生は嬉しそうに手を叩いた

「それなら安心してください!霧雨君の荷物は私が先程責任を持って・・・」

山田先生は廊下から2つのバックを持ってきた、それは間違いなく閃輝が幻想郷から持ってきたバッグであった

「来ましたので!」
「有り難う御座います!」

閃輝はバックを受け取り中に入っていた荷物を確認する

「大丈夫ですよ、何も見てませんし。でも他の先生方とかは強引と見ようとしてましたけど、なんとか食い止められました」
「本当にありがとうございます!!」

閃輝はもう一度、大きく頭を下げて礼を述べた

「・・・あった・・・良かった」

閃輝はバック内に入っていた写真を見つけると深い息を吐いた。閃輝が見つめている物を山田先生も覗き込んだ
それは写真立てだった、そこには家の中で撮られた物だった。
閃輝の肩の上に手を置いてカメラの方を向いて笑っている闇夜。闇夜に抱きつきながら閃輝の頭を撫でている魔理沙。
そしてそんな兄と姉と一緒に居て笑顔でいる閃輝、幻想郷に来て間もない頃に、闇夜と魔理沙の知り合いであり新聞記者でもある
射命丸 文に頼んで撮影してもらった写真である。閃輝の宝物である。

「霧雨君、一緒に写ってるのはご家族の方ですか?」
「ええ。俺の兄と姉です」

閃輝は写真立てを山田先生に渡した

「いいんですか?」
「ええ」

山田先生はそれを受け取って良く見つめる

「綺麗なお姉さんと格好良いお兄さんですね」
「有り難う御座います、俺の自慢の兄と姉ですよ・・・」

閃輝は山田先生から写真縦を返してもらい再びバックの中に入れた

「で、俺の部屋って?」
「あ!そうでしたよね!来てください案内しますから」

閃輝は山田先生の後に続き廊下を歩いていく。部屋の前をどんどん過ぎていく

「・・・あっここですね」

山田先生はある部屋の前で歩みを止めた

『1025室』

どうやら、ここが閃輝の部屋になるのだ

「あっそうでした。まだ部屋の整理がついていないで他の子と同室になりますけど我慢してくださいね?
あっでも何かあったらなんでも相談してくださいね?この学園内じゃ男子一人ですし、困った事とか知り合い事とか
授業の事でもなんでもOKです!出来る限り私も手を尽くしますからね?」
「はい、頼りにさせていただきますね」

山田先生は閃輝に申し訳なさそうに言うが閃輝は気にしないように言う。
それを聞くと山田先生は、ほっとしたように扉をノックした。すると中から・・・

「ん、同室の者か?」

扉が開きそこには、バスタオルを羽織った箒が立っていた

「な・・・!!?一夏!!?それに山田先生!!?」
「篠ノ之さん、今日から霧雨君が同室になりますので、それとはやく服を着た方がいいですよ?」

箒は自分がタオルだけだと気づき急いでドアを閉めた。その間、閃輝は目を閉じていた
そして箒は胴着に着替えて扉を開けた

「じゃあ仲良くしてくださいね」

そう言って山田先生は去って行った、閃輝は箒と共に部屋に入った。
荷物をベットのそばに置き閃輝はベットの上に座った

「お、お前が頼んだのか・・・?」
「何をだ?」

閃輝は荷物を整理しながら箒の方を見ずに質問に答える

「お前が私と同室を望んだのか・・・?」
「嫌、そんな訳はない。俺は部屋に案内すると言われてそれに従い、ここに来たまでだ」

閃輝は本などをベットにそばに置かれている机に置く。箒は顔を引きつらせ体を震わせる

「そ、そうか・・・」
「うむ・・・」

ベットの上に布を広げてその上に鉢と幾つかの小瓶を置き、小瓶には粉末上の物が入っている
閃輝は複数の小瓶から粉末上の物を鉢に入れ鉄製の棒で磨り潰し始める。

「な、何をしているのだ?」
「・・・薬作り・・・」

右手で新しい小瓶の中身を、鉢に入れて再び磨り潰し始める。それと左手で何かのメモを見ながら、一旦、棒を離して
液体の入った瓶を取り、蓋を取って中身の液体を撥に入れて、瓶に蓋を占めて再び棒で、粉末と液体を混ぜながら磨り潰していく。

「薬!?もしかしてどこか悪いのか!!?一夏!!!」

箒は思わず閃輝に詰め寄る。が閃輝はそんな事を気にせず製薬を続ける

「別に・・・それに俺は一夏ではなく閃輝だ」

その淡々とした言葉に箒は少し引いてしまう。閃輝は鉢の中に入っている粉末上の薬品を見て、満足げにバックに手を突っ込んだ。
禍々しい色をした薬品を、バックから取った新しい瓶に入れてバックの中に突っ込む。

「一夏!本当に何があったのだ!!?何故、あれほど千冬さんを拒絶したのだ!!」
「・・・いきなり出席簿で殴ろうとして人の名を間違えば拒絶するだろう」
「う・・・だがお前の名は・・・」

箒は閃輝の言葉の一部に納得してまうが、やはり名が変わっているのが納得いかない箒

「はぁ・・・何故お前はそこまで俺に拘るのだ?俺とお前はどんな関係だというのだ?」

閃輝は心から思った本音を言った。その言葉に箒は泣きそうになってしまいそうになるが踏み止まる

「私は・・・お前の幼なじみだ・・・」
「そうか・・・ではな箒」

閃輝は幼馴染と言われて礼儀で、下の名で呼びバックから1本の鞘を持って部屋を出ていこうとする。
箒は、閃輝に箒と呼ばれて嬉しいのか、少し顔がほころんでいるが

「勘違いするな、幼馴染というから下の名で呼んだまでだ。お前の事など微塵も覚えてなどいない」

そう言い残して部屋を出ていく閃輝、その言葉に再び顔を青くし、立ち尽くす箒。 
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