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東方夢想録

作者:茅島裕
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紅魔館 編
  第3話 少血の幾斗(別に貧血な訳ではない)

星花の手を握りながら
通称、紅魔館の扉を開けた

目の前に広がる光景

紅い絨毯に紅い光

広いロビーだ

「なんのようで?」

先ほどまで誰もいなかったはずだった目の前に一人のメイドが現れ
そう言った

「え、いや... その」

なんとなく
そう言おうとした瞬間だった
目の前にいるメイドは顔色を一気に変え

「兄様っ! お帰りになられたのですねっ!?」

そう言って俺に(ひざまず)いた

ん?

「な、なぁ、今あんたなんて言った?」

「お帰りになられたのですね?」

「いやそこじゃねぇ!! その前だ」

「兄様?」

兄様ってなんだ!?
しかも何故、俺に跪いたんだ!?

「メイドさんよ、俺って誰だ?」

悩んだ挙句
そう言った俺に対し
メイドさんは心配そうにこう言った

「え...ええと。幾斗様、幾斗 少血(スカーレット)様... 兄様、どうかなされましたか?」

「うん、してる。めちゃくちゃどうかしてる」

なんだスカーレットって
ウケるわ
いやウケねぇよ!!
語呂悪りぃよ....

「兄様!! レミリアお嬢様が心配されていますよ! 会いに行かれたら....?」

どう言うことだぁ...
レミリアって誰だぁ...
なんでそいつが俺を心配するんだぁ...
つかスカーレットって語r(ry

「とりあえずメイドさん。人違いとかしてないか? まぁ、名前は幾斗であってるが」

メイドさんは俺の身体を舐め回すように見始めた
終いには露骨なボディータッチまで

「はい。間違いなんてありません。あなた様がこの"紅魔館"にふさわしい。主様(レミリア)のお兄様でございます」

「はぁ!?......あ」

あまりの衝撃で声をあげてしまうも
考えを深める

意味がわからん....
この世界線では俺はそのレミリアとやらの兄なのか...
必然的にそうなるわな

て言うかちょっと待て
このメイドさん、ここの名前

紅魔館って言わなかったか?

「メイドさん、ここは何処だ?」

「紅魔館です。あの、兄様?」

「はい?」

もうなんか兄様なれた

メイドさんはモジモジとして顔を赤らめながら

「メイドさん、ではなく。"兄様が居た頃"のように私を名前で呼んではくれないのでしょうか....?」

うん
呼んであげたい
呼んであげたいけど

名前知らんっ!!

あぁ、なんだろう
夜に咲き誇る....
うっわ...

「う....うん、咲夜....?」

なんとなく
当てずっぽに咲夜

そう言った直後にメイドさんの顔はパァっと明るくなった

おい
あってたのかよ...

「な、なぁ咲夜?」

「はい、なんでしょう」

「わ...我が.... 妹は、ど、何処に?」

若干不思議そうに、こちらでございます
と言って俺を連れる

途中、咲夜に星花のことを聞かれるも
いい感じに受け流し
話をなかったことにしたりもした



■■■



こちらでございます
そう言われて目の前にした扉

雰囲気的には凄くかっこいい館
なのだが....


【れみぃのへや♪】


以下にもキャピキャピした文字が書かれている
ピンク色の可愛らしい扉

若干の躊躇いを持ちつつ
扉を開け、中へ入る

今の時間帯が夜だ
と言うこともあるが
とても暗い

部屋の奥には
月に照らされている羽の生えたようz....少女

その少女は何も言わず
ただ月を眺めていた

身体は小さいながら
羽と言い、雰囲気と言い
先ほどの扉とは全く違った"カリスマ性"を大いに感じる

恐らく、あの少女がれみぃ、レミリア・スカーレット.... この世界線での
我が妹なのだろう

人間
ではなさそうだ
羽を見る限り.... コウモリ?
いや、吸血鬼?
コスプレだったら痛々しいが


カリスマ性に圧倒され
固唾を飲む俺だが
ちらりと星花を見る
何時もの無表情をしてジト目で少女を見ている


月に照らされた少女
もとい
レミリア
そして
俺の妹は

静かにこう言った

「....来たのね..」

変わらず顔は外を向いている

「ああ、いつの間にかな」

乗るように言葉を発する俺
レミリアは身体ごと俺と星花の方へ向かせ

ニヤリと牙を見せて
意味深い笑顔を見せたレミリア

カリスマ性と言い
この不気味な笑顔

かっこいいな...


次の瞬間
レミリアは凄いスピードで俺に近づく
そして


「お兄様〜❤︎ 会いたかったぁ〜♪」


俺に抱きつき
身体に顔を疼くめてそう言った

その瞬間
暗かった部屋は
ぱぁっと明るくなり
先ほどまでのカリスマ性など嘘のように
むしろカリスマ性とはなんだ
とも言える雰囲気に



カリスマ性も
クソもない...

同じことを思っていたのか
不意に星花が言った

「かりちゅま.....カワイ」 
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