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ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
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第八話 アクセルSIDE5

 
前書き
アクセルSIDE4の続きです。
今更かもしれませんがゼロはエックスSIDEでもアクセルSIDEでも彼視点があります。 

 
トンネルベースには敵がひしめいていた。
敵のライドアーマーが無慈悲な攻撃を繰り出して来る。
地下兵器工場は堅固なセキュリティプログラムが機能しているらしい。
複数のコアを破壊しなければ進めない道が多々あった。

ルナ「ギガクラッシュ!!」

バレットを回転させながら凄まじい勢いで連射し、扉のコアを破壊した。

ゼロ「(いけどもいけども雑魚ばかり…うざったい。)」

ゼロは苦く思いながらセイバーを振るう。
脳裏にはアクセルの言葉が去来していた。

ゼロ「(改造か…下らぬ真似を…)」

苦虫を噛み潰したような表情になる。







































ルナと連携し、ライドアーマーの群れを叩き斬った先には四方をガラスで囲まれた空間がある。
“決戦の場”に挑むようにこちらを見るのは、ピンク色のカンガルー型ライドアーマーに乗った幼少の戦士。

ルナ「あいつがガンガルンね…」

ガンガルン「金髪とセイバー…それに紅いアーマー…ってことは、お前がゼロだなぁ!!」

それは恐怖ではなく、歓喜。

ガンガルン「流石に僕を抑えられるのは、Sクラスのハンターだけだって判断したんだなぁ!!でも、僕の方が遥かに強いぞぉ!!」

最近は特A級ハンター同士でも力に差が出始めて来ているために新たなランクが作られようとしていた。
それがガンガルンの言うSクラスである。

ゼロ「やれやれ…そんなオモチャを乗り回して、ガキ大将気分か?」

ガンガルン「ガ、ガキだってえ…!?許さないぞぉ!!」

不快も露わに呟いた彼に、やはりと言うべきかガンガルンは癇癪を起こす。
そんな子供を前にして、ゼロが舌打ちするのは禁じ得なかった。

ゼロ「チッ…これだからガキは苦手だぜ…」

再び降って来た拳をひらりとかわし、ライドアーマーの左足の関節を斬りつける。
ルナもバレットによる連射で間接を狙う。

ガンガルン「何だよお前ー!!」

ルナ「俺はルナ、ゼロと同じランクのハンターだ。」

ガンガルン「ゼロと同じ…?ってことは、お前も強いのかぁ!!そんなに強い奴が2人も来るなんて、やっぱり僕って凄いんだぁー!!」

ルナ「なわけねえだろ。2人の方が効率がいいからだ。覚えとけ糞ガキ」

ガンガルン「ま、またガキって言ったなぁ!!」

再び癇癪を起したガンガルンは、ルナばかり攻撃し始めた。

ゼロ「ガキと言われて血が上る。だからガキだと言うんだ。」

ガンガルンが簡単にルナの挑発に乗ったことに若干呆れながらもセイバーでライドアーマーを逆袈裟に斬る。
刻んだのはガンガルンの居場所を裂けた、ライドアーマーの肩口から腰にかけて。
頑強なはずのアーマーはナマスの如く刻まれ爆炎を上げた。

ルナ「終わった…わけないか」

ゼロ「だろうな」

彼女が1人ごちるが、ゼロも同感だったらしく同意してくれた。

ガンガルン「勝負はここからだよー!!」

ルナ「速い!!?」

ガンガルン「いち、にい、さーんっ!!」

ルナ「がはっ!!」

右、左、最後はアッパー。
腹部を激しい痛みが襲い、顎を打ち抜かれて電子頭脳が揺れる。

ゼロ「ルナ!!」

ルナ「だ、大丈夫大丈夫…おいガキ。この程度で俺様を倒せると思ってんのかい。ええ?臆病者」

ガンガルン「な…なんだとぉ…!!」

怒りのあまり、ぶるぶると震える。
当のルナは、口から零れた血を親指で拭った。

ガンガルン「馬鹿にするなぁっ!!」

地を蹴り、加速し、真正面から跳び掛かる。

ルナ「トランスオン!!」

彼女が変身したのはストンコング。

ガンガルン「え!!?」

超硬石の盾でガンガルンの一撃を容易く防いだ。

ルナ「更にトランスオン!!」

次に変身するのはカラスティング。
ビームナイフを握り、ビーム刃をガンガルンに投擲する。

ガンガルン「痛っ!!?こんのお!!」

プライドを傷付けられたガンガルンは仲間のコピーに再び突っ込むがゼロがルナとガンガルンの間に入る。

ゼロ「遊びは終わりだ。」

ルインがハイエナードとの戦いで使ったカウンター技、獄門剣がガンガルンに炸裂した。
獄門剣はカウンター技ゆえ、使う場面は限られて来るが、相手の勢いもプラスして繰り出されるためにその威力は凄まじい。
一撃でカタが着いた。

ガンガルン「うわあああー!!」

ガンガルンは悲鳴と血液を上げ、ドサッと尻餅をついた。
命に関わる程ではないが、戦えるほど浅い傷ではない。
ゼロはセイバーを片手に、ルナも変身を解除してバレットを握り締めて歩み寄る。

ゼロ「借り物の力で強くなって嬉しいか?」

ガンガルン「ひっ…」

尻餅をついたまま後退する。
先程の威勢は何処へやら。
泣き顔となって縮んでいる。

ルナ「(珍しく滅茶苦茶怒ってやがる…)」

普段は感情を露にしないゼロがこんなに怒っているのは珍しい。

ゼロ「そんなもので強くなって、力をひけらかして何が楽しい。お前は…お前達はその程度の戦士だったのか?」

ガンガルン「ひぇぇ…助けて…助けてよぉ!!」

ガンガルンは恐怖に顔をくしゃくしゃにして命乞いした。

ゼロ「お前のようなガキ、殺しても何の意味もない。」

ゼロは吐き捨てるように言う。
どこまでも冷たく、慈悲も欠片もない様子だった。

ルナ「…取り敢えず連行するし、ハンターベースで治療もする。その先はお前自身で進め。今度は自分の力で」

ルナはガンガルンを拘束するとハンターベースに転送する。
それを横目で見ていたゼロは昔のことを思い出していた。
イレギュラーを処分するのも躊躇う甘っちょろいハンターは、世界最強のハンターが反旗を翻した時、たった1人で立ち向かった。
傷つく度に強くなり、己の力で敵を倒していった。
力は心の中にある。
そうゼロは信じていた。
その“あいつ”が今、被災地で“あの男”と対峙していることをゼロは知らない。
エイリアから通信が入り、ルナとゼロが被災地へ向かうことになるのは間もなくのことである。 
 

 
後書き
ガンガルン撃破。

ルナの戦い方は倒したボスに変身して戦うことになります。 
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