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遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜

作者:ざびー
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エピソード18 〜廃寮、闇のデュエル〜

 
前書き
みんな大好き?
闇のデュエル(笑)のタイタンさんが!やってくる!! 

 
SIDE紫苑

肝試し当日…。だいたい今は午後0時、日付が変わる時刻。例の廃寮の裏門の前にたたずむ三人。

まぁ、俺と姉ちゃんと雪乃のわけだが……

「……どうしてこうなったのよ…うぅ…」

雪乃が涙目になり、今更になって昨日の発言を後悔している。ぶるぶると震え、怖がっていることは一目瞭然である。

「十代達も入った頃だし、俺らも行くか。(雪乃に復讐するために…)」

「おー!」

雪乃を完全に無視してさっさと廃寮へと踏み込んで行く。もちろん雪乃は何度も逃げようとするのでがっちり両サイドからロックして引きずってでも連れて行く。
イヤァァァァァと森に悲痛な叫びが響いたのはほとんどの人が知らない。


「うわぁ…結構雰囲気あるな〜」

「埃っぽいね」


中に入るとほとんど光源がなく、唯一あるのは窓から差し込む月光とライトのみ。廊下に並べられた調度品にはすっぽりと埃が被っており、長年誰にも使われていないことがわかる。

だが、一つおかしな点が…

「なぁ、ここって本当にボロいのか?全くそうは思えないんだけど」

ドン!

「ひぃ‼︎な、なにっ!」

試しに紫苑が壁を叩くとその音に過敏に反応した雪乃が目に涙をいっぱい浮かべ怖がる。

壁をど突いてみてもドンとしっかりとした音が響くだけで建物は頑丈だということがわかる。そして、壁や柱などにひび割れ一つ見当たらない。老朽化というのは本当なのだろうか。

まぁ、そんなことは置いといて早速肝試しという名目で雪乃を目一杯怖がらせようか!!

とりあえず、近くにある部屋に入ってみる三人

そこはけっこうな広さがあり、置かれている家具などから推測するとプライベートルームだろう。
そして、ライトで額縁に飾られている写真を照らす。男の人がビシッとポージングしている様子が写っている。それを見ただけでも、雪乃はヒィッと小さく悲鳴をあげる。

「10JOIN?」

写真にサインされている文字を読んでみるがさっぱりわからない。姉ちゃんもう〜んと悩んでいる。だが、やっぱりわからないようだ。
一方、雪乃は…

「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない…」

と壊れたラジカセのように同じ言葉を繰り返し、怖くないと自己暗示をかけている。

これ本気で驚かせたら、しっきn……ゲフンゲフン、失神するんじゃね?

それはマズイなと思い、悩んでいるとカツンカツンと誰かが歩く音が廊下から聴こえてくる。

「ヒィィィ!?だ、誰よ!」

軽く発狂している雪乃。だか、誰が通ったのか気になるので

「確認するか…」

そろ〜りとドアを開けて歩いて行った方を確認すると見覚えのある金髪と床にはカードが等間隔で置かれていた。

「ヘンゼルとグレーテル?いや、ここにはお菓子の家はないよ」

「だまらっしゃい!!」

即座につっこむ紫苑。
だが、直後、

「んんーーーーーーー!?」

悲鳴と争うような物音が聞こえた。


「「「っ!?」」」

三人に緊張が走る。

今の音からただごとではなさそうだ

「え!?魔女に攫われた!?」

「そのネタはもういいから!!様子を見に行くぞ」

「あいあいサー!」

軽いのりの姉と音のした方へと駆けて行く。

「ちょっ、ちょっと待ってよーーー!!」

腰が抜けてしまっていたようで一人置いてけぼりをくらってしまった雪乃。







「この辺りで聴こえたんだが……っ!誰だ!」

後方に気配を感じ、振り向くと黒服を着た筋肉隆々の大男が金髪の女性ーー天井院 明日香を拘束し、棺桶に押し込めていた。

「んんー?誰だ、貴様らは?」

バリトンボイスの大男がゆったりとこちらに近づいてこようとするが、カメラのシャッター音が響く。

てか、この人やけにいい声してるな。あと、この声何処かで聴いたことがあるような

「えーと、これで証拠大丈夫かな?不法侵入に、少女誘拐、あと恐喝に暴行未遂かな?最悪、殺人未遂でもいいけど?」

インスタントカメラを見せつけながら不適な笑みを見せる翠

「っ!?貴様、何のつもりだ」

「えーと、確か自称闇のデュエリストでインチキ千年パズルを使って相手に幻覚を見せて恐怖を刻み込む、だっけ?

タイタンさん?覚えてない?何度か会ったことあるし。それに一度依頼したことあるし。」

「はぁ!?」

割と物騒なことをしていた姉に驚く。

いや、待てよ?バリトンボイス、大男、インチキ闇デュエル……

思い出したと言わんばかりにタイタンと呼ばれた男を指差す紫苑

「昔、なんかデュエルしかけて来た奴じゃん!てか、アレって姉ちゃんの仕業かよ!?」

紫苑がプロデュエリストとなってから間もない頃に同じような男が急にデュエルを仕掛けてきたことがあったのだ。その時はあっさりと返り討ちにしたため記憶になかったのだが、今思い出した紫苑。
一方、ばれた翠はてへぺろとふざける。

「おい、俺は貴様らのことなど知らんし、こんな小娘に依頼を受けた覚えなど……いや、一度だけあったな。その時、依頼してきたのはプロデュエリストで、戦った相手もこんな餓鬼じゃなかったぞ」

「餓鬼で/小娘で悪かったな!!」

息ぴったりで反論する二人。タイタンはおまえらには見覚えがないとの一点張り。埒が明かない…

「じゃあ、帝 光の名前は?」

にっこりと笑って言う翠

ああー、正体明かしちゃうんだー…問題にならなきゃいいけど…

翠がプロとバレれば芋づる式に紫苑もプロであることがバレる恐れがあるのでそのことを懸念する。だが、タイタンの反応は予想と違うものだった。

「んんー?光プロといえば俺が尊敬するデュエリストだ。いや、待てよ…」

内ポケットから一枚のブロマイドを取り出すと翠と交互に見比べる。暗くてよくわからないがそこに写っている人物とそっくり…いや、同じである。

「なん………だと…!?おまえ、まさか…光プロだったのか!?」

どうだー!と胸を張る翠。まあ、胸はあるのでそれなりに様になっているが…

てか、この人、このなりで姉ちゃんのファンかよ!?あ、ありえねぇ!!

ギャップがあり過ぎて、現実とは思えない紫苑。そして、タイタンは紫苑の方を向くともう一枚ブロマイドを取り出し、見比べ、驚愕する。

「お、おまえはシオンプロだったのか!?」

バレた…これで平和な学園生活も終わったなと黄昏れているとタイタンがコートの内側からまた何かを取り出そうとする。出てきたのは真っ白な紙と黒のマジックインキだった。
異次元ポケットかよ!?とつっこんだ俺は悪くない

「実はファンなんです。サインください」

ずっこける二人。流石に大男が頭を下げてまでサインを求めてくるとは予想していなかった。

「い、いいけど…私たちのことは秘密ね?」

色紙を受け取りながら、翠が言うとタイタンは漢に誓ってと言い出す。

なんだこのギャップは…

「ところでさ、私たちのどんなところがいいの?」

んん!?それ、本人の前でいうことかよ!

「んんー?光プロは凛とした姿でデュエルするところだな。」

あんたも言うのかよ!?

「それでいて、天使族を大量展開して相手をフルボッコにするところがカッコイイ。」

あははと苦笑いする翠。そして、紫苑は?と尋ねる

「んん?そうだな、やっぱりビジュアルだな。ぜひ、恋人になってもらいたい」

紫苑を見つめながら、言うタイタン。何故だろう、恋する乙女みたいな目をしてる…気持ち悪いこと甚だしい

「ホモは帰れ」

紫苑に一蹴され、タイタンの恋路は一瞬で潰える。



「話は逸れちゃったけど、あなたはどうしてここに?」

「ん?仕事だ。だが、これ以上は俺にもプライドというものがあるから言うわけにはいかない。」

頷きながら、カメラをちらつかせる。

「っく…脅迫のつもりか。だが、それがどうした」

「あっそう…じゃあ、さっきの会話を裏社会に流してみるか〜」

ボイスレコーダーを取り出し、タイタンを追い詰める。あんな会話流されたら、恥ずかし過ぎて裏で生きていけなくなるぞ。流石にタイタンもさっきの会話を流されるのは嫌らしく、渋々と話始める。

まとめると十代と翠を闇のデュエルをふっかけ、二度とデュエルをできなくしてやれと依頼されたらしい。そして、依頼した人物は学園内部の人物でその名前を聴いたときはあいつかよ…と溜息を漏らした。ついでに明日香は二人を誘き出すための餌らしい。

「で?どーする?私とデュエルしてみる?」

少しタイタンを挑発しながら尋ねる。そんなことしたら、先行無限ループキルを決められて、闇のデュエルじゃなくてもデュエルができなくなりそうだが…

「いや、さすがに憧れの人物とデュエルするのは気が引ける。また次の機会にさせてもらおう。」

多少上から目線な言い方だが、力の差は理解しているらしく翠とのデュエルを回避する。あれ、十代はどーするの?

「まぁ、十代君なら負けても大丈夫でしょ。」

軽いノリでタイタンにGOサインを出す。タイタンは明日香を入れた棺桶を引きずりながら、奥へと進んでいく。俺らは邪魔しないことを条件に観戦する許可をもらった。まぁ、向こうは違法でも仕事だしね。




廃寮の地下、床にデカデカと魔法陣らしきものが刻み込まれた場所までくると棺桶を開け、中にいる明日香の目を覚まさせ、悲鳴を上げさせると薬品を嗅がせて眠らせる。明日香の悲鳴を聞きつけたのかドタドタと階段を降りてくる足音が聴こえる。まぁ、十代たちなのだが…

「明日香ぁ!!」

「ふっふっふ…この者の魂は深い闇に沈んでいる」

十代たちが駆け込んでくるタイミングに合わせ、タイタンが霧の中から出て来て芝居がかった演技をする。なかなか迫真の演技で様になっている。

「貴様、何者なんだ!明日香に何をした!!」

一方、十代は熱血主人公のようでタイタンの放つ威圧感にも臆さない。翔と隼人はビビり過ぎだ…

「フフフ、我は闇の決闘を操る闇の決闘者、タイタン。」

「な!?闇のデュエルだって!そんなものあるはずない!」

いや…十代これがあるんだな…俺できるし…今度、タイタンに本当の闇の決闘を死なない程度に体験させてやろうかな?どうも、本物を知らないみたいなので

紫苑がそんなことを思っている間も茶番は続く

「ふふん、試してみればよかろう、小僧。ここは昔、禁忌の儀式が行われた場所。そして、我はこの場所へと踏み入れた者へと裁きを下す!」

なかなかカッコイイことを言っているが少し見方を帰ると厨二患者だである。しかも、大の大人が…

「くそ!明日香を返せ!」

「フフフ、我に勝つことができたのなら返しやろう。さぁ、闇のデュエルだぁ!」

「デュエル!」

二人が威勢良くデュエルディスクを構える。

〜デュエルは長いので割愛させて頂きます。気になる方は原作を見てね♪〜

簡潔に纏めると自称闇のデュエルをするタイタンは悪役らしく【デーモンデッキ】。対する十代は【HERO】なのでなかなかいい絵になって、面白かった。
デュエル中、十代の体の一部が透けるというホラーがあったが、途中でタイタンの闇のデュエルはインチキだとバレ、威勢を取り戻した十代に逆転負けをした。あれ、どうやってんだろ。今度タネ明かしでもしてもらおうかな?


「くっ…この俺が負ける…だと…」

タイタンはまさかの敗北により手を地に着き項垂れ、十代達はタイタンを無視し、明日香を助けようとする。
だが、予期せぬ事態が起こる。

床から漆黒の闇が噴き出し、十代達やタイタンを包み込み、飲み込もうとする。

「っつ!?ヤバイ!」

「え!?あっ、ちょっと待って!」

即座に反応した紫苑は即座にその闇の中へと飛び込み、翠もそれに続く。
 
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