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MUVLUVにチート転生者あらわる!?

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第二十九話

 
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ハマーンside



国連本部ビルにある私専用のオフィスで、書類を読んでいる。
この間、オルタネイティヴ第4計画の総責任者香月夕呼博士が提案した、横浜ハイブ攻略作戦関連の書類だ。

「やれやれ。保守派の連中は即時承認しただけでは飽きたらず、メビウスも参加させろだと?俗物どもが!!」

大体帝国軍はBETAの日本進行の際に、メビウスのおかげで戦力を余り失わずに済んだだろうに。確かに、国連主力の米軍が日本に介入するのは、国民感情からして宜しくない。大東亜連合に参加を要請している様だが、恐らく米軍の介入は避けられまい。
だからと言って、メビウスを第5計画への牽制の保険扱いするのは、止めてもらいたいものだ。もし悠斗が切れたら、日本とアメリカが地図から消滅する事になるだろう。まあ、私からすればどちらの国が滅びようと関係ないからな。所詮悠斗の力を見誤った馬鹿どもの末路だからな。
読み終わった書類を机の端に置き、次の書類に目を通す。
次の書類は、横浜防衛戦の際に撮られた生身で戦闘する悠斗の戦闘能力に関する書類だった。
帝国軍から回収された映像を、私が世界各国に配信したのだ。

「世界中の国々が驚いているのが目に浮かぶ。
さぞ、滑稽だろうな」

生身でBETAを滅ぼして行く悠斗の姿は、世界中の国々にはどう写るのだろうか?少なくとも、私なら絶対に怒らせない様にするがな。
各国の反応を考えながら、書類を読むのだった。




ハマーンsideout



アメリカside



ホワイトハウスの一角に、この国の中枢を預かる者たちが集まって話しあいをしていた。

「以上が日本帝国で、我が軍が受けた損害になります」

スーツ姿の大統領補佐官が、報告書を読み上げる。

「些か、損害が多いですな」

空軍の制服を着た男が、資料を机に置く。どうやら、日本帝国で受けた損害がお気に召さない様だ。

「あの、イエローモンキーどもが!我がアメリカの言うことを聞いていれば良いものを、それをしなかった正で、在日米軍の兵士達が余計な損害を受けたわ!」

陸軍の制服を着た大柄な男が、ドン!と机を叩く。机が揺れて、資料が散らばる。

「閣下。机を叩くのは結構ですが、資料を散らばらせるのは如何かと?それにしても、今回受けた陸軍の損害は馬鹿になりませんな。兵力の補充を急がなければなりませんね」

海軍の制服を着た眼鏡をかけた男が、陸軍の将軍に苦言を言う。しかし、陸軍の将軍はイライラしながら、腕を組んだ。

「ふん!分かっとるわ!大統領!陸軍の損害が甚大なので、優先的に補充をお願いします!」

体を前のめりにして、大統領を見る陸軍の将軍。しかし、大統領はコーヒーを飲みながら、優雅に返答する。

「分かった分かった。まあ、慌てずにコーヒーでも飲んで落ち着きたまえ。
陸軍の補充に関しては、最優先で行うから安心したまえ」

「おお!そうですか!ならば安心ですわ。ハッハハハ!」

大統領から言質を取れたことにより、機嫌が良くなった陸軍の将軍が、大笑いする。他の将軍たちは、彼の笑い声がうるさいので耳を塞ぐ。

ガチャン

ドアが開き、一人の男性秘書官が慌てて部屋に入ってきた。彼の手には、何やらディスクが握られていた。

「ハアハア。だ、大統領大変です!」

「どうした?息を切らす程急いで?何かあったのか?」

大統領が声をかける。会議室に居る出席者達の視線が秘書官に向けられる。

「フウ。大丈夫です。取り敢えず、この映像を見てください」

秘書官がプロジェクターに移動して、秘書官の入ってきたドアの横に有る、中央モニターに国連の紋章の映像が映し出された。

「今から見ていただく映像は、ハマーン国連事務総長が世界中に配信した映像です。この映像が撮られたのは、日本帝国の横浜にハイブが建設された時、近くで戦闘していた戦術機から撮られた映像です」

秘書官がスイッチを押す。国連の紋章が消えて、戦闘映像が映し出された。最初は普通に衛士が、戦闘している映像だったが途中から、違うのがメインになった。

「な!?」×多数

出席者達の目が、釘付けにされた。出席者は信じられない光景を目にしている。そう、メビウス所属不動准将が生身でBETAを殺しているのだ。

「あ、あり得ん。夢でも見ているのか?」

「バ、バカな!生身でBETAを滅ぼしているだと!!」

「メ、メビウスの不動准将は、化け物か!」

「それもそうだか!この爺は、更に凄いぞ!」

「せ、戦車級をタオルで真っ二つにしただと?!」

出席者達から声が上がる。皆一様に、戦闘している映像を食い入り様に見ている。やがて、映像が終わり中央モニターには、なにも映らなくなる。椅子に深く腰掛けて、コーヒーを口に運ぶ。冷えてしまったが、苦味が増して頭をスッキリさせてくれる。

「さて、今の映像を見た率直な感想を言う。今、不動准将は新型BETAと言われたら、私は納得するだろう。それくらい、激しい衝撃を私は受けた。他の者達はどうだ?」

私の発言の後、会議室はシーンと静まり返る。先程見た映像を、振り替えって考えている様だ。一人の将軍が重い口を開いた。

「言いたくはありませんが、不動悠斗准将は化け物としか、言いようがありません。MSの腕も超一流でありながら、技術者としても世界トップクラスの頭を持ち、生身でBETAを余裕で殺害する肉体を持っていることを考えますと、彼を怒らせたら最後、怒らせた国が完全に消えるまで滅ぼすでしょう。不動准将と戦わないことが、国を守ることに繋がるでしょう」

海軍の将軍がそういい放つ。皆同じことを考えていたのか、反論が一切出てこないかと思われた。

「あり得ん!たかが一個人が国家を凌駕するなど!我らがアメリカ合衆国が、戦わずして敗北を喫するなど断じてあり得ん!」

陸軍将軍が立ち上がり、怒鳴り声で海軍将軍が言った事を否定した。

「では聞くが、もしメビウスと敵対して戦闘になった場合、どうやって勝つつもりかね?」

「簡単だ!G弾だ!G弾を使えば、例えメビウスのMSと言えどその威力の前に、ひれ伏すだろう!」

空軍将軍の問いに陸軍将軍は、我がアメリカ合衆国の新型爆弾G弾の使用を提案してきたのだ。
確かにG弾の威力を見せれば、世界各国がアメリカを支持するだろう。それに、第4計画やメビウスにも良い牽制になるだろう。ならば、丁度良い機会が有るではないか。

「よし!君達の意見は分かった。ならば、世界に見せつけてやるのだ!我らが作り上げたG弾の威力をな!丁度第4計画の連中が、横浜ハイブを攻略しようとしている!ならば、その時にG弾の威力を世界中に見せつけるのだ!」

「は!了解しました!」

G弾神話を信じているアメリカ合衆国の連中は、横浜ハイブ攻略作戦のにどのくらいの戦力を投入するか、話し合いをするのであった。




アメリカsideout



欧州連合side



とある一室に、欧州連合に参加している国々の代表者達が集まり会議を行っていた。
出席した代表達は皆、モニターに映しだされる映像に見いっていた。
やがて映像が終わり、画面が真っ暗になり部屋に静寂が訪れた。

「・・・・・」

誰も口を開こうとしない。いや、開けずにいた。たった今見た映像があまりにも衝撃的だったのだ。

「ふう。空気が重いではないか。そう思わないかね?諸君?」

イギリス代表の何気ない問いかけに、各国の代表達は重い口を開く。

「そうですな、イギリス代表。しかし、あの映像を見た後では仕方ないのでは?」

「確かに、イタリア代表の言う通りだ。些か衝撃的な映でしたな。まさか、メビウス所属の不動准将が生身でBETAを殺しているのを見たときは、流石に冗談かと思ったよ」

「そうですな。フランス代表の言う通りですな。不動准将の武勇は、まさに人外でしたからな。それも衝撃的でしたが、我が西ドイツとしては、MSの性能の方が素晴らしいと思いましたな」

不動准将の生身でBETAを倒す姿は、欧州連合内では武勇伝として扱われ、この場の話のメインはMSに移行して行った。

「そうですな。西ドイツ代表の言う通り、MSの性能は疑います用のない戦果でしたな」

「確かに、イギリス代表の言う通り、MSの連携は戦術機の非ではありませんでしたな」
「左様。前衛をグフ又はザクⅡが行い、後衛からザク・キャノンが重火力を持って制圧する映像は、圧巻でしたな」

「やはり、我々もMSの用な新型機の開発を急ぐべきかと」

討論に熱が入り始め、段々議論の内容が新型機開発に移行し始めた。

「諸君落ち着きたまえ。新型機開発云々は、不動准将がプロミネンス計画に参加してからで、良いでわないか?」

「イギリス代表の言う通りだ!今は新型機開発の話より、香月博士の提案した横浜ハイブ攻略作戦について話し合おうではないか?日本帝国を、我らが欧州の二の舞にさせぬ為にも!」

イギリス代表とフランス代表が、強引に話題を返る。特にイギリスは、新型機戦術機を開発したばかりで、資金難の状態なのだ。プロミネンス計画に不動准将が参加する以上、余計な事をして不動准将から技術提供を拒否されても困るからだ。
誰もが、不動准将の機嫌を損ねて、損はしたくは無いのだ。
議題が横浜ハイブ攻略作戦に移ってからも、会議は夜を徹して行われた。




欧州連合side



日本帝国side



帝都城の一角に、政威大将軍派の者達が集められて会議を行っていた。

「以上が、世界各国の動きになります。概ね予想道理の動きですね」

トレンチコートを着た男、鎧衣左近が報告をする。

「そうですか。わざわざ危険な橋を渡らせましたね鎧衣」

「ハッハハハ。日本帝国の為ならば、この程度の事など苦労に入りませんよ殿下」

苦労を労う煌武院悠陽殿下に、笑って答える。彼からしてみれば、帝国の存亡に関わる大事な時期に、危険な仕事をするのは何ら苦労に入らないのだ。

「鎧衣よ。ご苦労だったな。殿下、やはり香月博士の提案した横浜ハイブ攻略作戦の国連軍の主力は、アメリカ軍になりますな」

煌武院悠陽殿下の座る椅子の、右側に立っていた、紅蓮醍三郎大将がいい放つ。

「香月博士が危惧していた事が、現実味を帯びて来ることになろうとわ。嘆かわしい事です」

よもや、一方的に同盟を放棄したアメリカに、再び頼る事になる事に不安が募る。今度は、自分達が被害を被らない様に、何かしてくると容易に予想ができるからである。今だ、お飾りにされている彼女は、ただ無力の自分に嘆くしかできないのだ。

「大丈夫ですよ殿下。攻略作戦の指揮権は、我々帝国にありますからアメリカと言えど、容易に自分に有利になるような事ばかり出来ませんから」

「しかし」

「それに、メビウスが日本帝国に駐屯していますから、恐らくハイブ攻略作戦に参加してくれるでしょう」

「言質は取れているのですか?鎧衣?」

「いいえまだですが、此れから取りに行くのですよ」

帽子をかぶり直して部屋を出ていこうとする、鎧衣課長。

「鎧衣」

「はい、何でしょうか?」

振り向いて、殿下の方を見る鎧衣課長。

「決して無理をしない様に」

「はい。かしこまりました殿下」

頭を下げて、鎧衣課長が部屋を出ていった。

「殿下。今は、鎧衣課長を信じる他に有りませぬな」

「ええそうですね紅蓮。恐らく不動准将なら、力を貸してくださると思うのですが」

「今は、鎧衣課長からの報告を待ちましょう」

ただ、鎧衣課長の交渉が無事に行くことを祈るしか出来なかった。




日本帝国sideout
 
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