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機神呼嵐デモンベイン

作者:ハイド
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第一部『I AM PROVIDENCE~機神爆誕!魔を断つオバカ伝説の始まりだゾ~』
  第4話「困った時は魔を断つ剣を執れ!」

 
前書き
どうも、ハイドです。
今回はデモンベイン戦闘回。後、何人かキャラが崩壊しちゃってたりしてるかも知れないです。
それではどうぞ~。 

 
-神之介とアルがデモンベインに乗り込んだ同時刻・・・。


-覇道邸 総帥執務室

 アンティークモノのシャンデリアがぶら下がり、高級そうなじゅうたんが敷かれてある。いかにも大金持ちの部屋を体現したようなこの部屋で、黙々と書類に目を通している少女の姿があった。
 第一話を読んだ読者ならピンとくるであろう。この少女の名は、覇道瑠璃(はどう るり)。世界経済のトップに君臨する覇道財閥の全てを引きついだ若き女王であり神之介に魔導書捜索の依頼をした人物である。
「ふぅ・・・!?」
 一通り、書類を見終え、一息をつく瑠璃。そこへ電話の呼び出し音が鳴り響いた。執務室からの電話がなる事態は早々無い。あるとしたら、財閥内でどうしようもならないトラブルが起きたか、もしくはブラックロッジの破壊ロボが現れる・・・そんな事態だ。
「私です、何が起こったのですか?」
『お嬢様!破壊ロボです!ブラックロッジの破壊ロボが現れました!!!』
 またか・・・。受話器から聞こえる声を聞きながら、瑠璃は唇をかみ締める。
(デモンベインさえ・・・デモンベインさえ動けば・・・)
 唇をかみ締めながら思う。悔しいのだ。忌々しいテロリストに破壊ロボに対抗できない自分が。だが、報告は終わっていなかった。
『それと、もう一つ大変な事が!』
「まだ?他に何が?」
 普段なら、破壊ロボが出たと言う報告だけなのだが、今回はそれだけではないらしい。
『―――――――!』
「ッ!!?分かりました、すぐに向かいます」
 受話器の向こうから帰ってきた言葉、それを聴いて瑠璃の表情が凍った。そして、冷静にそう返すのであった。


-それから暫くして・・・。


 覇道邸のその真下、そこには一部の者にしか知らされていない、地下に建設された秘密施設がある。そこに向かう覇道瑠璃。その貌、その格好は一変していた。
 その貌は覇道財閥総帥としてではない。覇道瑠璃のもう一つの貌。ブラックロッジに武力を振るう為の司令としての貌だ。
「状況は?」
 秘密施設、覇道財閥の粋を結集して築かれた、巨大な地下基地。ブラックロッジに対抗する為に作られた秘密基地に入るなり、瑠璃は声を上げた。基地内ではメイド服を着たオペレーターがそれぞれ、この緊急事態の対処に追われていた。
「お嬢様!」
「ソーニャ、ここでは司令と呼びなさい」
 ソーニャと呼ばれた小柄なメイドに瑠璃は注意をする。すいませんと、あわてて謝罪するソーニャ。
「それで?格納庫で異常事態が発生したと聞きましたが」
「はい、虚数展開カタパルトが作動してます!」
 ソーニャの言葉を聴いた瑠璃の表情が固まる。
「何故・・・?まさか侵入者?」
「いえ、それは不明です。ですが施設のコントロールは完全に奪取されています。こちらではモニタリングするのが精一杯です」
 瑠璃の言葉に、クールな印象のメイドが答える。その言葉に瑠璃の表情に焦りの色が濃くなった。
「電力を遮断して!魔力炉の緊急停止を許可します!」
「すでにブレーカーは作動してます!せやけど、カタパルトは格納庫内の独立した動力源から電力の供給を行ってるみたいです!」
 ありえない・・・。めがねをかけた、言葉に関西訛りがあるメイドの言葉に瑠璃は胸中で呟く。
「そんな動力源を一体何処から・・・?」
「デモンベインからです」
 副司令席にいるウィンフィールドが瑠璃に言う。デモンベインから電力を供給している・・・。予想外の事態に、瑠璃はただ驚愕するしかない。
「デモンベインは・・・魔導書が無いと動かないハズなのに・・・」
「ああっ!虚数展開カタパルト、作動します!!!」
 ソーニャの言葉と共に、サイレンが鳴り響く。
「全ての構成元素が無限速度へと達しました、デモンベイン偏在化します。選択された確率事象から出現位置を逆算しますので少々お待ちを・・・」
 司令室がざわめく中、覇道瑠璃は胸中で問いかける。・・・一体何が起こっているのだと・・・。


Side 神之介

「おいィィィィィィィィィィィィィィ!!?これどうなってんのォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!?」
 歪んだ空間で、オラは絶叫する。揺れているようでもあり、回転しているようでもあり、はたまたさかさまになっているような感覚である。う・・・やべぇ、気分悪くなってきた。
「ねぇ・・・アルちゃ~ん、エチケット袋持ってない?オラ吐きそうなんだけどゲロしそうなんだけど」
 口元を押さえながらアルに言う。だが、そんな自分の声も近くから、遠くから、四方八方に聞こえてくる感じ。
 五感のすべてがあべこべででたらめで、確かな手掛かりは無い。
「只の空間転移如きで酔うとは情けない」
「な、何だよ空間転移って・・・」
「空間転移も知らぬとはな、空間転移と言うのはな今『居る』妾達をこうして『居るかもしれなかった』空間総てに広げた後、何処なりと指定した座標に『居た』事にする。つまりそういう事だ」
「全然わかんねーよ!もっと分かりやすく言えよ!」
「お喋りはココまでだ!今から実空間に顕現するが準備はいいか!?」
 また、スルーしやがった・・・こんなの絶対おかしいよ。いやホントマジで。
「良い訳ねーだろうがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

Side out

-同時刻、覇道邸の地下基地

「司令!逆算結果が出ました!」
「ご苦労様マコト!座標は・・・?」
 クールな雰囲気のメイド・・・もといマコトの言葉に、瑠璃は逆算結果を見る。
「デモンベインの出現位置は・・・シティ58番区上空600メートル?・・・これは」
「破壊ロボの間近ちゃいます?」
「一体何が起こるんですかぁ!?」
「第三次大戦DA」
「「コマンドーか!?」」
「コントやってないで真面目にやってくださいなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
 変なコントをやってるメイド三人組に瑠璃のツッコミが響き渡ったのであった。 

-そして、同時刻のシティ58番区。

 何も無いはずの虚空に、途方も無い質量の気配が生じた。其処に在り得べからざる物質が、存在する無限小の可能性。限り無く『0』に近い確立が集積され、完全なる『1』を実現する。巨大な何かが、強大な力を秘めた何かが、今、顕現しようとしていた。

-場所は再び地下基地へ・・・。

「デモンベイン!実空間に事象固定化!衝撃波!来ます!!!」

-そして再度シティ58番区。

 空間が、圧倒的質量に弾き飛ばされ、爆砕した。だが、人々は逃げる事すら忘れて、魂を抜かれた様に見上げるしかない。燃える空に飛翔する、圧倒的なその威容・・・破壊を纏いて降臨する、鋼鉄の巨人を。

Side 神之介

「おいィィィィィィィィィィィィィ!!!落ちてんぞコレぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?大丈夫か!?大丈夫なのかァァァァァァァァァァァァァァ!!!?」
「このまま敵に飛び掛るぞ!準備はいいな!!!」
「飛び掛るって・・・んなむちゃくちゃな・・・」
 落下しながらアルと会話を交わす。眼下ではものすごいスピードで破壊ロボの姿が見る見る大きくなっていた。・・・もう、後戻りは出来ないようだゾ。
 もう、覚悟を決めよう。もうどうにでもなれだ。・・・とりあえず、
「くそだらァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!やりゃあいいんだろ!やりゃあッ!!とことんやったらァァァァァアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「ようやくその気になったか!」
 ポケーっとしている破壊ロボの後頭部を思いっきり蹴り飛ばすッ!
「うらァァァァァァァァァァァァァァァァァ!往生しろやキ○ガイぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
『ぬ!?ぬおおおおおおおおおおおおおおお!!!?な、何事ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!』
 雄たけびと共に渾身のとび蹴りを決めたと同時に、80mもある破壊ロボが宙に浮き、吹っ飛ばされた。・・・すげぇパワーだゾ。
「ナイスだ、神之介」
 アルはオラの方を振り向きサムズアップ。おうよ!と笑い返してやりたいが・・・、
「の、脳みそがいい感じにシェイクされまくって吐きそ・・・うぼろろろろろろろろろろろろろろ・・・」
「ゲロるなうつけェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」
 気分悪さが上回ってたみたいで、盛大にゲロった。あと、アルにも怒られた。・・・不幸だ。

Side Out

「う・・・うぐぐぐ・・・一体何が・・・?」
 突然何かに吹っ飛ばされビルに激突した破壊ロボのコクピットの中で、ドクターウェストは呟く。ひょっとしてメタトロンか?そう思いながら、破壊ロボのカメラを衝撃のあったほうに向けた。そこに映っていたのは人型の鋼。
「な・・・我輩の知らないロボットであるとォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!?」
 外から眸は見えないが、それは真っ直ぐに意思を以って破壊ロボを見据えている。・・・果たしてそれはドクターウェストの錯覚とでも言い切れるだろうか?

-シティ上空。
 熾烈な戦いを繰り広げていた2人の天使も突如出現したデモンベインに気づいていた。
「あのロボット・・・真逆噂の・・・」
「『覇道鋼造』が作った対魔術師用の秘密兵器・・・?」

-所変わって、破壊ロボのコクピット。
「先ほどの一撃で駆動系の69%が損傷。・・・結構ガタが来ているのである・・・」
 破壊ロボを起き上がらせながら、ドクターウェストは呟く。
「我輩のスーパーウェスト無敵ロボ28號スペシャルを上回るパワー・・・こんな事が・・・」
 あってたまるか!そう思い拳を握り締める。認めない・・・このドクターウェストの破壊ロボを上回るロボットなどあってはならない!
ギャオオオオオオオオオオオオオオオオン!
「この我輩の破壊ロボこそ史上最強っ!あんなロボットなぞ、塵に変えてくれるのであるっ!!!!」
 己を鼓舞する為にギターをかき鳴らし叫ぶ。それと同時に、コクピットのキーボードが開き、『押しちゃダメよん(はぁと)』と書かれたあからさまに怪しいボタンが出現した。
「これぞ最終兵器ジェノサイドクロスファイアー!!!これを喰らって生き延びたヤツはいないのであるっ!!行くぞッ!!」
 そういいながらボタンを押したのであった。

Side 神之介

「ゲロは治まったか?」
「ん・・・まぁね・・・」
 ゲロを全て吐き終え、一息つく。アルが咄嗟にエチケット袋を出してくれたのでコクピットをゲロで汚さずに済んだ。・・・さて、この後どうするか・・・?
「よし、神之介!彼奴は動けぬぞ。トドメを指すのは今だ!」
「・・・とは言っても、デモンベインにどう言うのがあるか知ってるのか?武器とか必殺技とかよォ」
「それは勿論・・・」
 オラの問いに、アルはどや顔で答えようとして・・・、
「・・・・・・・・・・・・・・」
 固まった。ものすごく気まずい雰囲気がデモンベインのコクピットに漂う。
「知らないんですな?全然からきし、微塵にも露ほどにも知らないんですな?」
「・・・うん」
 オラの問いに、アルはどや顔のまま汗をだらだら流しながら頷いた。
「おい、ふざけんなよ。アレか?勢いだけで飛び出したのか?その場のノリとテンションで行っちゃったのか?」
「う、煩いッ!今調べておるわ!!!」
「逆切れしてんじゃねーよ!・・・つーか、デモンベインのマニュアルとかねーのか?ひょっとしたら・・・」
 そうアルと口論しながら、マニュアルを探していると・・・、
ガコン!
 破壊ロボのほうから音がしたので見てみると・・・、色々と何か生えていた。ミサイルランチャー、ガトリングガン、レールガンエトセトラエトセトラ。
「うおーい、何だよアレ。何かまずい事になってんだけど。やばそうなんだけど。早くしてくれ。ハリーハリーハリー」
「せ、急かすな!この機体内を走る術式は独特すぎるのだ!!!いちいち調べたら日が暮れてしまうわ!!!」
「だったら聞けばいいんだよ!分からないことがあったら、まず作った奴に話を聞く!それが常識だろうが!!!」
「それもそうだな」
 アルにそういって、ふと気づく。・・・デモンベインは覇道財閥が作ったものだ。もし、アルがマジに覇道財閥に連絡を入れたら・・・。
 アルが連絡を入れる→当然覇道の姫ちゃんの耳に入る→オラが乗ってたことがバレる→社会的に抹殺。
「ちょっと待ってー!アルさんタンマタンm」
『塵と消えい!ファイアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
 オラがアルを制止するよりも早く、ドクターウェストの声と共に、コクピットを轟音が襲った。モニターはミサイルとかだろう?それの爆炎で一杯になっている。
「どああっ!?しゃあない!覇道の方に連絡を入れてくれ!ただし、通信中は絶対オラに話しかけるなよ!いいか!マジで話しかけるなよ!バレて社会的に抹殺されたくない!!!」
「了解だ!」
 背に腹は代えられない。オラはアルに指示を飛ばす。アルは頷きながらそういうと、コンソールを凄まじい速さで叩いていった。

Side Out

「ああっ!デモンベインが!おじい様の形見がっ!!!」
「落ち着いてください、お嬢・・・いえ司令。大旦那様の作られたデモンベインがあれしきの事で破壊されるはずがありません」
 デモンベインが爆炎に包まれ瑠璃は慌てふためく。そんな彼女をウィンフィールドが諌める。
『そうであって欲しいな、こちらとしても』
「えっ!?」
 ウィンフィールドに答えようとした瑠璃をさえぎり、通信が聞こえてきた。モニターに映っているのはアルだ!
「ええっ!?呪術で暗号化している基地の通信にどうやって割りこんだん!?」
 めがねのメイドが目をぱちくりさせながら言う。
「誰なの・・・?この子供は・・・?」
「発信元特定できました。デモンベインです!」
 アルを見ながら呟く瑠璃にマコトが答えた。
「デモンベインから?!この子がデモンベインを!?・・・あなたっ!デモンベインを持ち出してどういうつもりなんですか!?その機体は覇道財閥の所有物です!!!」
『うむ、そう思い質問に来たのだ。このデモンベイン・・・兵装項目が未分化してるのだが・・・』
「質問を質問で返さないで下さい!!人の話を聞いているの!?」
『そんな大きな声を出さなくても聞こえているぞ小娘。なんでもいいから適当な攻撃呪法を教えろ。後はこっちでやる』
「こ・・・小娘ですって・・・そう言う貴方こs「どなたかは存じませんが、それで破壊ロボを斃す事が可能なのですか?」ウィンフィールド!?」
 段々と、単なる口げんかになりそうなアルと瑠璃の口論を割って入り、ウィンフィールドが問いかける。反感を隠せない瑠璃にウィンフィールドは答える。
「司令、火急の事態です!この場は彼女達に託してみましょう」
「勝手な事は許しません!デモンベインは、お爺様が総てを賭して作ったロボットです!何かあったら・・・」
「だからこそです!だからこそデモンベインを信じてください!あの大旦那様が作り上げられたロボットです!あんな鉄屑如きに敗れる道理はありません!!!」
 ウィンフィールドの言葉に、瑠璃は返す言葉が無い。そこへ、アルから声がかかる。
『所で汝等、悠長に議論しているがそう暢気に構えていられる程、コイツは頑丈なのか?』
 モニターでは、破壊ロボの攻撃を必死にガードしているデモンベインが・・・。
「こういった場合・・・、使える呪法はアレしかあらへんな・・・第一近接昇華呪法『レムリアインパクト』」
『レムールキツネザル・・・?何だソレは?それで何とかなるのか?』
 アルの問いに、ウィンフィールドは答える。
「レムリアインパクトです。レムリアインパクトは強力な反面危険である為、二重のロックが施されています。発動には司令の決断が必要です」
『面倒だな・・・。おい、小娘発動を承認しろ!!後は妾達が何とかする!!!』
「司令!」
 ウィンフィールドはモニターから瑠璃に視線を移す。発動を承認するかどうか、迷う瑠璃。待ってください!と、ソーニャから静止の声がかかる。
「レムリアインパクトはこちらの制御も必要ですし、まだ一度も起動テストをしてません!」
「もし制御に失敗すれば、アーカムシティが消滅する危険性があります」
 マコトからの声もあり、瑠璃の迷いに拍車がかかる。そうこうしている内にもデモンベインは破壊ロボの攻撃に晒され続けていた。
『汝ら!いい加減に早く決めろ!』
 アルの言葉とデモンベインを見ながら、瑠璃は亡き祖父覇道鋼造が残した言葉を思い出していた。
-誅すべし、ブラックロッジ。
 汝、魔を断つ剣と為れ!
「お爺様・・・」
 呟く瑠璃の貌に迷いは無かった。司令として、祖父の意志を継ぐ戦士としての貌がそこにあった。
「ヒラニプラ・システムを発動。言霊を暗号化。ナアカル・コードを構成せよ!」
「え、えええええええええええええ!!?」
 瑠璃の言葉にソーニャは驚きの声を上げる。
「覚悟をきめぇ、ソーニャ!ボー主任がいつも言ってたやないか!実践こそ最上のテストや!!!」
「むちゃくちゃですよチアキさ~ん!」
 そんなソーニャにメガネのメイドチアキが言う。涙ながらにソーニャはチアキに反論するのであった。

 ナアカルコード・・・司令であり総ての決定権を持つ覇道瑠璃のを鍵として、禁断の奥義を開放する。デモンベインは今、真の力を発揮しようとしていた。
「では、見知らぬ人、レムリアインパクトを承認します。後は任せますよ」
『あいわかった!行くぞ神之介!』
『話しかけんなっつってんだろーがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!まだ、通信中だよね!?切ってないよね!?』
『あ、すまなんだ。切るぞ』
 瑠璃にそういった後、アルは神之介に言いながら、通信を切る。
「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」
 沈黙が司令室一帯を支配する・・・。それから何分経っただろうか、その静寂を打ち破り、瑠璃が叫ぶ。
「神之介・・・?何で野原さんが乗ってますのォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!?」
「お、落ち着いてください、司令!・・・しかし、野原様に一体何が・・・」
 何故、デモンベインに神之介が乗っていたのか・・・?疑問に思う瑠璃とウィンフィールドであった。瑠璃の場合は余りの予想外さにパニック状態となっていたが、気にしてはいけない。
「あのー、司令。いつでも行けますけど・・・」
 チアキの声にハッと我に返る瑠璃。
「そ、そうでした・・・。では、ナアカルコード送信ッ!」

 最後の一発までも撃ち尽くし、デモンベインの姿は完全に爆炎の向こうへと消滅した。
「ぬぅーはっはっはっはっはっはっは!どうだ!やはり最強はこのドクターウェストが作り上げたスーパーウェスト無敵ロボ28號スペシャルであぁぁぁぁる!!!」
 ギターをかき鳴らしながら、ウェストは高らかに笑いを上げる。・・・だが、それは長くは続かなかった。
「ぬぅーはっはっは・・・あれ?」
 紅の炎に染められ、銀色の月光に照らされ、何ら一つ傷を負う事無く、ソレは悠然と立っていた。デモンベイン、ブラックロッジへの対抗手段。

SIDE OUT

Side 神之介

「すげぇ・・・全くの無傷だゾ・・・」
「ああ、ますます気に入ったぞ、デモンベイン!さぁ、今度はこちらの番ぞ!」
 とは言ってもどうすれば良いんだろうか・・・?とりあえず聞いてみる。
「どうすりゃいいんだ?」
「何でもいいから言霊を吐け!」
 何でもか・・・とりあえず。
「デモンベイン!あの腐れキチ○イをボコボコにしてギャフンと言わせてやれッ!!!ッ!!?」
 オラがそう言葉を吐いた瞬間、何かが頭に入ってくるような感覚が・・・コレは一体?
「意訳完了!レムリア・インパクトとやらの術式だ、いわゆる必殺技とかだな」
「なるほどね。大体分かった。・・・すぅ・・・」
 息を吸い込み、集中する。自分の意識を世界に宇宙に一体化させる。感覚が研ぎ澄まされ、魔力がデモンベインからオラとアルに伝わってくるのが分かった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」
 カッと目を開き、咆哮。その咆哮にデモンベインが答える。両腕を交差させ、そしてそれを左右に広げながら下ろす。オラの両腕が、デモンベインの両腕が光り輝き、背には五芒星の印が光り輝く。エルダーサイン、邪悪なるモノをはらう印だ。
「光さす世界に、汝等闇黒・・・住まう場所無しッ!」
 右手を天に掲げ叫ぶ!その手には、必滅の輝き。
「渇かず飢えず・・・」
 デモンベインが駆けるッ!その必滅の輝きをまとった右手を振り上げ・・・、
「無に帰れェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!!!」
 破壊ロボに叩き付けた!
「レムリアァァァァァァァァァァァァァ!インパクトォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
 そして、その必滅の輝きは破壊ロボを焼き尽くし、包み込み陵辱していく・・・そして・・・。
「昇華ッ!」
 アルの声と共にデモンベインを下がらせる。それと同時に、総てを無に帰する程の光が辺りを埋め尽くした。

SIDE OUT

「何と言う威力・・・コレはまるで鬼械神!?」
 デモンベインが破壊ロボを昇滅させるその瞬間を、メタトロンとサンダルフォンは、しかと見た。二人とも、己の躰を震わせる戦慄を隠し得ない。
『ドクターは敗北したようだな。サンダルフォン、撤退せよ』
「ッ!大導師(グランドマスター)・・・しかしまだメタトロンが・・・」
 脳裏に響く声にサンダルフォンは言葉を返す。
『命令だ。撤退せよ』
「クッ・・・!メタトロン、その命預けるぞ」
 命令に逆らう事は出来ず、捨て台詞を残して、去るサンダルフォン。だが、メタトロンは追わなかった。ただ取り憑かれたように、炎を見下ろし佇むデモンベインを見つめ続ける。
「デモンベイン・・・コレほどまでとは・・・。いや、コレほどまでの化け物出なければブラックロッジとは戦えない。・・・そう言いたいのか?覇道鋼造・・・」
 メタトロンの問いに答えるものは誰も居ない・・・。

Side 神之介

 オラはただ、呆然と目の前の光景をただ見ていた。もう、何と言うか頭が現状に追いついていない。
「ふむ、中々やるではないか初めてにしては上出来だな」
 そんなアルの暢気な声が聞こえてくるが、オラは答えることは出来ない。
「・・・何だよ、これ」
 そうつぶやくのが精一杯だ。ブラックロッジの破壊ロボより、よっぽど危険だゾ。どうしろってんだ、こんな・・・。
 こんな破壊神(バケモノ)!!!
「冗談じゃ・・・冗談じゃねぇゾッ!!!」

 思えばこの時から総てが決まってたんだゾ。・・・オラがアルに会った事も、地下でデモンベインを見つけたのも。アル曰く、運命がオラに戦うべき道を指し示したからだという。
 そう、これはアーカムシティの運命をかけた。・・・否、この地球、もしかしたら全宇宙の命運を左右するかのような、大きな戦いの道。オラはその事をまだ知らない・・・。

Side Out

-アーカムシティ上空1000メートル。
「やはり・・・今回もこうなったか」
 そう呟きながら少年は月を背負い、夜空に浮いていた。彼の名はマスターテリオン。ブラックロッジを束ねる大導師。
「そう、総ては運命の輪の中に・・・」
 そういいながらマスターテリオンはわざとらしく両手を広げ続ける。
「さぁ、踊ろうあの忌まわしいフルートが奏でる、狂った輪舞曲の調べに乗って。・・・ヒロインは貴公だ、アル・アジフ」
 誰も居ない虚空で、マスターテリオンは嘲るような愛おしむような笑みを浮かべるのであった。

第一部 END.

第二部『THE OMEN ~魔神降臨!大導師、マスターテリオン登場だゾ!~』に続く。 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
今回、名前だけですがクレしんキャラが出てきています。他にも、覇道財閥で働いているクレしんキャラは他にもいるのですが・・・それは後の展開で・・・。
とりあえず、第一部・・・、デモベ本編では第1話に当たりますがこれにて終了。
次回からは、第二部となります。タイトルの通り、マステリ様が登場しますので乞うご期待。
それでは~(0w0)ノシ 
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