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『自分:第1章』

作者:零那
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『ユウの家族』

ユウの家庭は、自分が思う普通の恵まれた家庭。
羨んできた家庭そのもの。
何不自由なく両親に愛を注がれつつ、時には厳しく叱られ、それなりにスクスク育ってきた。
それが解る。
そんな良い家庭。


お母さん、普段から化粧もせず、仕事は、正社員並のフルタイムでのパート。
リーダーを勤めるしっかり者。
上にも意見できるし、後輩にも厳しく優しく指導できるし、賢くて人当たりが良くて器が大きくて良く笑って...飾りっけが無くて可愛い人。
でも何事にも肝の据わった感じが自分にはツボでカッコイイと想える人。
仕事後、クタクタでも育ち盛りの息子達の栄養バランスを考えてキチッと調理する。
母としての愛が大きい人。
理想の母親像。
こんな完璧じゃなくて良いけど。


お父さんは立命館出の賢くて真面目な人。
筋を通さないことが嫌い。
役職の仕事をしてて、帰ってくるのは夜11時以降が多い。
帰ったらビール飲むのが楽しみ。
1杯で体まで赤くなるけど。
寡黙で怖そうに見えて、でも実は優しい人。


弟は凄くシャイで心が綺麗で優しくて律儀な子。
ユウと同じで、とにかくおもろいことが好き。
ユウの友達周りにも礼儀正しくて皆に好かれるような素直な子。


家では、兄弟で一緒にお風呂入ったり、一緒に歌ったりゲームしたり...
とにかく自分には衝撃受けるほど凄く凄く仲良しこよし。


こんな家庭で育ったら自分はこんな歪んだ価値観にはならなんだやろうな。
こんな憎たらしい性格にはならなんだやろうな。
こんな汚い言葉遣いにも...って、コレは違うか。
口の汚さは産まれた頃からやったわ。

なんせ、羨ましい気持ちと嫉妬心が入り交じった。
いやぁ~な感情が渦巻いた。

 
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