緋弾のアリア ―瑠璃神に愛されし武偵―

レビュー

  • この作品の特徴は、なんといっても、『軽快さ』にある。作者であるアキナ氏の独自文体と言えばよいのだろうか。
    文体というのは個性と感性が限りなく反映されるモノだ。賛否両論ではあろうが、私の視点から見た良点を、述べていこう。

    この作品──略称を《瑠璃神》の名で親しまれているこの作品では、各所に顔文字が使用され、登場人物の感情を情緒豊かに表現している。ネット・書籍を問わず顔文字を利用する小説は少ないが、《瑠璃神》はその一握りに加わっているのだ。

    顔文字の使用を控えろという声もあるだろう。タブー視されているのも事実だ。しかし、それはあくまでタブーであり、禁止ではない。しっかりと作品性と合致していれば良いと、私は思う。

    そして、彼等彼女等の『会話』も、《瑠璃神》の魅力を高めているのだ。軽快な文体に合わせたような、ジョーク。
    主人公、水無瀬凪優とその相方的存在、瑠璃。更には遠山キンジや神崎・H・アリアなど──例を挙げれば暇がない。

    ……さぁ、この辺りで紹介は終わりにしよう。
    その前に、本編の表現を抜粋させていただいて、私からキャッチコピー的なモノをお見せしたいと思う。


    フツーの女子高校武偵の水無瀬凪優。
    人に好意を示すも適合者が存在しない色金に宿る神。
    一度機嫌を損なえば死さえ有り得る気難しい色金の神。
    数多の謂れを持つ瑠璃色金に宿りし意志・【瑠璃神・瑠璃】。
    混じりそうに無く通常であれば、相反する2つの存在。
    これは、その2つの存在が適合している物語。