つぶやき

N.C
 
汎用と凡庸、延々と永遠の違い
最近になってよく創作で誤用を見かけるようになりましたので、読者に混乱や誤解をきたさないために書かせていただきます。今まで多く見受けられた汎用と凡庸、延々と永遠という書き間違いに焦点を当てました。

まずは、それぞれの意味を辞書で引いてみます

汎用:一つのものを広くいろいろな方面に用いること
凡庸:すぐれた点がなく、平凡なこと

延々:長く続くさま
永遠:無限に遠い未来まで時間的持続の際限のないこと

後者は一文字で意味が変わってしまうので、特に要注意。
それでは次に、もし汎用と書くところを凡庸と書き、延々と書くところを永遠と書いてしまった場合に読者がどのような解釈をしうるかを書きたいと思います。

「彼の持つ銃器は、それこそ世界で類を見ないほどの凡庸性を持っていた」
 →本当は世界随一の使いやすさとか取り回しの良さとか色々とまとめた言葉にしたいのに、世界随一のガラクタと解釈してしまう人もいるかもしれません。完全に真逆ですね。凡庸の意味合いをしっかり知っている人からしても、前の『世界で類を見ないほどの』と凡庸の意味合いは食い違いますし、混乱するでしょう。

「講義は永遠と続く。あくびが出そうなのをこらえながら、彼は窓に視線を移して突き抜けるような青を見た」
 →長く続いてて退屈だと表現したいのに、それが終わりが見えないほどに続く地獄の講義に早変わりです。不死身の先生は、おそらく生徒が死んでも講義を続けるでしょうね。それとも生徒も不死身で、それこそその不死性をもってしても教えきれない講義があるのでしょうか。哲学とかそんなところ?

当然のことながら、これだけの食い違いを見れば読者は疑問に思って意味合いを調べる人もいるでしょう。しかし、自分が実際にあった読者の中の多くが「わからなかったけど辞書は引いてない」という方でした。それらを含めると、多少なりとも誤解や混乱をきたしたまま読了し、モヤモヤを残した読者もいるのかと思います。
いくら自己満足で書いているとしても、そのあたりは最低限考えたほうがいいと思います。
まぁ、これ自分もそれをやってたらブーメランなんですけどねー。カンガルーの死体なんですけどねー(真顔

それと、この二つはあくまでピックアップしたに過ぎず、探せば色々と誤用が存在します。また、現在は誤用のほうが浸透してしまっている言葉もあります。ですので、今の考えからして誤用にあたるものだけを校正していけばいいと思います。 
N.C
 
なんとなく覚えてるって怖いですよねー
自分も疑問に思ったことをすぐに調べるようにしているのですが、疑問に思わなかった単語がもしかしたらなんとなく覚えているものだったりして、それが誤用につながっていたということはあると思います。未来でそれが誤用であると知った自分が頭を抱えることが容易に想像できますね(白目

それと、ちょっと話は逸れますが、ネット上で見つけたなんとなく覚えている知識っていうのも疑ってかかったほうがいいよなぁ、って思ってます。
つぶやきの文中に出てくるカンガルーの死体って、昔はカンガルーの狩猟にブーメランが用いられていた記録からくるブーメランにやられた人の比喩なんですが、実際問題どのくらいまで狩猟の道具として使われていたのかも知りませんし、そもそも本当に使われていたのかも怪しいです。それをただ漫然と覚えたまま多用して、最終的にそれが思い違いだったときの穴掘って埋まりたい感覚は忘れようもありません。 
海戦型
 
覚え間違いって怖いですよね
汎用人型決戦兵器と凡庸人型決戦兵器じゃまるで意味違ってしまいますからね。……ってそれはいいとして。
なんとなく響きで覚えてると、上記のように思いっきり意味が違ってる状態で使用されてしまうことがありますね。私は「あれ?この単語使い方合ってるっけ?」と疑問に思ったらグーグルなりなんなりで検索してネット辞書でパパッと確かめますが、そもそも間違ったまま覚えていたら疑問すら抱かない訳で。
昔よそのサイトで見かけたんですけど、「隔溜まり」ってのがありました。これ、「隔たり」という言葉をかなりぼんやり記憶していた結果生まれた、現実には存在しない単語です。自分もカタカナ言葉を時々間違えて覚えてたりして、色々と危ういなぁと思います。
更にマヌケな実体験をすると、外套という漢字の意味は知ってるけど調べなかった結果、「套」の字の読みが分からないことに気付いて焦ったこともありましたね。なんとなくっていうのはある意味誤用より恐ろしい……。