つぶやき

N.C
 
再掲:突発的アイディア⑤
『鉋屑の少女』 
鉋で削って生まれた木片のように。
紙を破って生まれた紙片のように。
鉄を砕いて生まれた鉄片のように。
彼らは己を削って何かを生み出す。
鉋屑の少女は身を削って己を糾し。
紙屑の少年は身を破いて我を通し。
鉄屑の異形は身を砕いて個を消す。
彼らにどのような顛末があろうと。
屑は際限なく降り積もり山となる。
しかし、どの結末にも形はあらず。
形無き終焉はただただ待ち侘びる。
屑を零しながら歩む、彼らの事を。