暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第19話 『今日という日この時からは』
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 その日の夕刊一面が『兇災(きょうさい)』という単語で、おそらくどの新聞社も同じような内容が記載されていることは分かりすぎるほど分かっていた。
 カメラクルーが現場に向かい、海に漂うあらゆるもの(・・・・・・)をファインダーには入れないように心掛け、ただ海の上に(わず)かに残るくの字に折れた飛行機の頭部と尾翼を撮り続けた。
 その日ほど自分の職業を恨んだことはないだろうし、誇りが支えたこともなかっただろう。それだけの出来事であった。
 ティーダはティアナに「なんじにむかえにいくの?」と聞かれたところで、思い切り息を吐いて、彼女を膝の上から下ろし目線の高さを揃えた。


「いいかい、ティア?」
「なーに?」


 首を傾げる妹に一瞬ためらうが、言わないわけにはいかない。
 彼は意を決して口を開く。


「パパとママの飛行機は事故にあったんだ」
「じこ?」


 彼はこくりと頷く。


「だから、もう、パパとママは帰ってはこないんだよ」
「かえってこない?」


 もう一度頷く。


「どれくらいかえってこないの?」
「ずっとさ。いくら寝ても、いくら指を折っても、どれだけ時計を見ても、どれだけカレンダーにバツをつけても、絶対帰ってこない場所に行ってしまったんだよ」


 いつも話しかけるよりもゆっくりと、一言一言確かめるように、自分に言い聞かせるように、そして入学前までに寝る前に読んであげた絵本のお話のように現実を話した。
 ティアナは兄の言葉をしっかり聞いてから、今までに体験したもので例えてみせた。


「それって、たかいところ? ティアね、このまえキにのぼったときね、おりられなくなっちゃったの」


 せんせいにたすけてもらった。とティアナが話したとき、ティーダは危うく微笑んだ目尻から涙が出そうになった。


「そうだね。降りることのできない高い所へいってしまったんだ」
「そっかぁ」
「でもね、パパたちは大人だから、降りられなくても平気なんだって。ティアはパパとママが帰ってこなくても平気かい?」
「…………」


 その言葉に彼女は何も答えなかった。幼い子から少女へと成長しはじめている目の前の妹は何か言葉を探しているように見えたので待つことにしたが、ティーダはその間が(つら)かった。
 彼がまた口を開こうとしたとき、


「……ティアがおにいちゃんの肩に乗ってもだめなの?」


 その言葉に彼は妹を抱き寄せさめざめと泣き、妹にぽんぽんと背中をやさしくたたかれた。






△▽△▽△▽△▽△▽






 十分に落ち着いた後、ティアナとともにティーダは引き上げられた両親を迎えに、現場近い安置所に向か
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