守るべきものは・・・
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し持っていた短剣の刃を当てる。
「エリーシャちゃん!」
「ヒヒヒッ!さあ、姫様を返して欲しければ剣を捨てろ!」
シオンはその姿を見て、ため息混じりで剣を遠くに投げた。
「悪かった・・・」
「ハッ!今頃謝っても返すわけねぇだろーが!」
「お前じゃねーよクラディール。俺はエリーに謝ってんだよ」
「えっ・・・?」
「今まで、俺はお前にしたことが正しかったのかずっと分からなかった。でも、やっと分かったよ。ツバキが言っていたこと、そして俺のしたことがツバキの約束を破っていたことを」
そのとき、シオンの目には一滴の涙が流れていた。そしてシオンは右腕を掲げた。
「本当は一緒にいるべきだったな・・・」
「シオン君・・・」
「スキルオーダー《フィクション・ワールド》!」
そう告げると周りはシオン、クラディール、エリーだけになった。
「な、何だこれは!」
「《フィクション・ワールド》、これは名前の通り仮想世界を作り出すオーダーだ。そして、このスキルは俺とお前、どちらかが倒されるまで解けない」
「何だと!」
「さあ、これで終わりにしよう」
シオンは剣を構える。クラディールは表情をまた、不敵な笑みを浮かべた顔に戻った。
「てめぇ、忘れてねーよなぁ。こっちには人質がいるのがよぉ」
「もちろん忘れてねーよ。だから、俺が殺す」
「ほほう、言ってくれるじゃねーか」
そう言うと、クラディールはシオンに迫ってきた。
「じゃあ、殺ってみな」
「ああ、そうさせてもらう!」
そう言ってシオンはエリーシャの胸に剣を突き刺した。それからまもなくしてエリーシャはエフェクトとなって散っていった。
クラディールはその光景に驚愕した。
「これで満足か?」
「そんな、バカな・・・」
「あばよ、クラディール。元気でな・・・」
そう言って、シオンはクラディールを切りつけた。
「グフッ!このッ・・・」
「最後に教えてやる、どうして俺がエリーを殺すことを迷わなかったか。それは・・・」
シオンは人差し指で下をチョイチョイと指差すと、
「ここが《フィクション・ワールド》だからだよ」
「《仮想》か・・・。へっ、この、大嘘つき野郎が・・・」
クラディールは最後にそう言うと、ガラス片となって消え、それと同時にシオンが構築した仮想世界も崩れ、シオンはその場に倒れ込んだ。
『タイムオーバーです』
「ギリギリ、だな・・・」
周りからエリーシャたちが集まってくるのが見えたがシオンは静かに意識を落とした。
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