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遊戯王GX−音速の機械戦士−
−闇のデュエル−前編−
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side遊矢
今日の俺は明日香と共に廃寮に来ていた。
何でも、明日香の兄である天上院吹雪が、この廃寮で行方不明になっているそうだ。
亮と共に様々な手段に訴えたものの、どれも空振り。
それでも諦めず、灯台の下で作戦会議や、情報交換を行っているそうだ。
「兄さん…」
廃寮に薔薇の花を供え、しんみりとしてしまう明日香。
この空気は、キツイ。
「それにしても、あれだな!何で明日香は俺にこのことをうち明けてくれたんだ!?」
必要以上に明るい声を出して喋る。そんな俺の小さな気遣いに気づいてくれたか、クスッと笑う明日香。
「それは、デュエルをしたり、話をしたりするうちに、あなたは信頼できる人だと思ったからよ。」
「おおう、それは嬉しいな。それより気づいてるか明日香。」
「何に?」
「今の言葉、シチュエーション的に告白みたいだったぜ?」
「そ、そんなことあるはずないじゃないっ!!」
顔を真っ赤にして即答してくれた。
明日香は何というか…普段キリッとしているから赤くなったりすると可愛い。困らせたくなる。
…俺がSに目覚めたら、確実にこいつのせいです。はい。
「…そうか…そんなわけないのか…俺は明日香が好きなのに…」
必要以上に落ち込んでみる。
「好っ!?そ、そんなに落ち込まないで遊矢…私も、その、あなたのこと…好き…だから…」
作戦成功。
「クックックッ…」
おっと、思わず笑ってしまった。明日香が怪訝な様子でこちらを見てくる。
「ドッキリ大成功でした〜ありがとうございま〜す。」
「ドッキリってどういうこ「動くな明日香!」な、何?」
手の中にあるPDAのボタンを押す。
『私も、その、あなたのこと…好き…だから…』
と、PDAから明日香の声が流れる。
「こんなこともあろうかと、さっき録音しておいたんたが、これを明日香ファンクラブの連中に売ったら何円になるか…」
「返しなさいっ!!」
「危ねェッ!!」
顔が真っ赤な明日香のパンチをギリギリで避ける。
「返せって何だよ、これは俺んだ!!」
「私の声なんだから私のものよっ!!」
「誰か助けてェェェ!!」
明日香とのリアルファイト(防戦一方)を繰り広げていたら、人が来た。
「おいどうした!!大丈夫か!!」
来たのは十代。遅れて翔と…デス・コアラ?が来た。
「助かったぞ十代!!明日香が襲ってくるんだ!!助けてくれ!!」
「はあ!?」
十代からしてみれば、釣り用のクーラーボックスとPDAを持ちながら、友人が顔を真っ赤にした友人に襲われている。という状態だ。
まるで意味が分からんぞ。
「聞いてくれ十代!これこれこういう事情があって襲われているんだ!!」
「良く分かんねぇけど、止めろよ明日香!」
十代が俺の前に立って庇ってくれる。
ああ。持つべきものは大切
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