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トーゴの異世界無双
第二十二話 個性豊かだなコイツら
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「そうなの?」


 ヒナの言動にメイムが目を見開く。
 へぇ、何百年か昔とは聞いてたけど、そうか、二百年前か……。


「黒髪……黒目……異世界人の……特徴……だよ」
「そ〜なんだぁ〜」


 カイバとメイムがしきりに頷く。
 だが闘悟だけは興味深い視線をヒナに向けていた。
 ヒナの知識に驚いていたからだ。
 恐らく異世界人の情報は、そんなに広まってはいない。
 それはギルバニア王も言っていた。
 文献も少ないのに、彼女はどうやって異世界人の情報を得ていたのか、そのことに興味が湧いた。


「なあヒナ」
「……なあに?」
「どうしてそんなに知ってるんだ?」
「……わたし……知りたがり……だから……だよ」


 ということは、ヒナはオレと同じように知識欲が半端(はんぱ)無いってことだ。


「お父様や……お母様にも……聞いたん……だよ」
「へぇ」
「他にも……図書館で……調べたり……したん……だよ」


 何故かこの子に物凄く親近感が湧いた。
 やっぱり知識ってのはいいよな。


「偉いなヒナは」


 闘悟は微笑みながらヒナの頭を撫でる。
 いきなりの行動に、彼女は瞬間ビクッとしたが、気持ち良さそうに目を細める。
 ああ、何か愛でてるよオレ。
 すっごい気分が和むわ。


「あ、あの……」


 そんな申し訳なさそうな声を掛けてきたのはクィルだった。
 何故か少し不機嫌な雰囲気を醸し出していた。


「ト、トーゴ様! 女の子の頭を、そんな簡単に撫でてはいけませんです!」
「え? あ、そうか? あ……と、ごめんなヒナ」


 闘悟は慌てて手をどけるが、ヒナは物足りない顔をする。


「ううん……トーゴなら……いい……よ」


 うわ! やっばいわ!
 オレ娘ができたら一生嫁になんかやんねえっ! 


「あはは! トーゴくんてば、なかなかのやり手なんだね!」


 面白そうに笑うのはメイムだ。


「くっ、これが異世界人補正だとでも言うのか!」


 おいネコミミ、何だその厨二的発想は?
 てか補正なんて概念(がいねん)よく知ってたな!
 悔しそうな表情で睨んでくるカイバをよそに、クィルは何故かふくれっ面になっている。


「ど、どうしたんだクィル?」
「何でもありませんです!」


 そうしてプイッと顔を背ける。
 ん? 何か怒らせるようなことしたかオレ? 


「クィル様」


 その場にいた者以外の声が聞こえた。
 声が届いてきた方向を見ると、そこにはポニーテール団長ことミラニがいた。

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