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トーゴの異世界無双
第二十一話 テスト返しって憂鬱だよな
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で突かれているみたいだ。
 闘悟は軽く振り向く。


「よ! 俺はカイバ、カイバ・バン・ハッセル。これからよろしくな有名人くん」


 そこにいたのは頭に耳をつけた茶髪の男だった。
 おお、これがあの有名なネコミミか。
 半ば感動しながらネコミミ男を見る。
 しかし、どうせなら可愛い女の子のネコミミを最初に目にしたかった。


「こちらこそな」


 微笑しながら答える。
 この学園に来る前に聞いてはいたが、今日は試験評価発表があるらしい。
 もちろん闘悟は受けてはいないので、完全に放置される。
 一人一人呼ばれて教卓の前まで行く。
 そこでファイルのようなものを渡される。
 恐らくはその中に受けた試験内容と評価が記されているのだろう。
 ミラニも教卓の前まで行く。
 ……ってかアイツもこのルームなのっ!?
 今初めて知ったんだけど……。
 ミラニはその場でチラッとファイルを開いて確認する。
 そして、フッと笑みを溢(こぼ)し自分の席に戻る。
 ん〜どうやらなかなか高評価だったらしい。
 お、次はさっき声を掛けてきたカイバというネコミミ男子だ。
 彼もその場で開いて見るが、驚くほど分かりやすく落ち込んでいた。
 まあ、そういうこともあるよネコミミ男子よ。
 闘悟は心の中で優しく慰めてやった。


 そしていよいよクィルの番がやって来た。
 だが、彼女はファイルをもらうと、大事そうに抱えて席に早足で戻って来た。
 闘悟はその動きを目で追っていると、彼女もそれに気づいたのか恥ずかしそうに目を伏せる。
 席に座って、恐る恐るファイルを開こうとしている。
 あれ? 今回の試験は上手く出来たとか言ってなかったっけ?
 それなのにどうして不安がってるんだ?
 ああ逆か。
 自信があって取り組んだから結果を知るのが怖いのか。
 まあ、頑張った結果が必ず報われるとは限らないからな。
 闘悟はそんなことを思いながら静かに見守る。
 ドキドキしながらクィルはゆっくりとファイルの中身を見る。
 そして、強張った表情が段々と緩くなっていく。
 そして、安心したように息を吐く。
 闘悟はその様子でファイルの中身を確信して言う。


「良かったなクィル」


 すると、いきなりの掛け声に驚いて振り向く彼女だが、闘悟の笑みを目にした瞬間

「はい!」

 とても嬉しそうに微笑む。

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