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トーゴの異世界無双
第二十話 挑発もそこそこにしなきゃな
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「何をしているっ!」


 いきなり怒声が響いた。
 そして、人垣の中から見知った顔が現れた。


「一体ここで何を……ク、クィル様っ!?」


 そう驚き声を上げてやって来たのは、グレイハーツ王国魔法騎士団団長であるミラニ・クロイセンだった。


「ミ、ミラニ!」


 クィルも助けを求めるように声を上げる。
 闘悟はやって来たミラニを見て目を開く。
 グレイハーツ魔法学園の制服を着用している。
 あれ? ミラニも学生だったのか?
 クィルには聞いていなかったので驚いた。
 ミラニは闘悟の存在に気づく。


「ト、トーゴ! この騒ぎはまさか貴様の仕業か?」
「ビンゴ!」
「ビンゴではないわ馬鹿者! 転入初日から揉(も)め事など起こして、クィル様にご迷惑が掛かるだろうが!」


 あ、そう言えばそうだった。
 ついつい、リューイをからかうのが面白くて我を忘れていた。


「そうだな。ごめんクィル」
「え? あ、いいえ……です」
「何があったかは後で聞く。とりあえずここはお互い引け」


 ミラニの登場ですっかり怒りの行き場を失ったのか、リューイは悔しそうに闘悟を睨みつける。


「おい平民」


 闘悟はリューイの言葉に反応する。


「この屈辱は近いうち必ず返す。覚えていろ!」


 うわ〜まさに悪役が立ち去る時のセリフそのまんま。
 ホント面白いなアイツ。
 そうして、リューイ達はその場を離れていく。
 それを見て安心したのかクィルが腰を落とす。


「ふぇぇぇぇ……」
「おいクィル!」
「クィル様!」


 二人してクィルを支える。


「こ、怖かったですぅ……」


 泣きそうな顔をしながら、その顔を闘悟に向けてくる。


「こらトーゴ! もう少し自重しないか!」


 ミラニの激(げき)に、さすがの闘悟も頭を下げるしか思いつかなかった。
 それから、変に有名になった闘悟は、奇異(きい)な視線を受けながら職員室に辿り着く。


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