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星河の覇皇
第二部第三章 魔王その一
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国は北方諸国の中では最も地形が平坦だ」
「ブラックホールも赤色巨星も少ないですし。それに北方を攻略していくには格好の拠点候補もありますしな」
「エマムルドだな、あの星系は物資の集積地だしな」
 提督達は口々に言った。
「閣下はどうお考えですか?」
 そして彼等はモンサルヴァートに対して問うた。
「サンドリムか」
 彼はまず地図を一瞥した。
「攻めるにあたってはここが最もいいだろう。エマムルドを陥落させることができたならばそこを拠点にして作戦を容易に進めることができるしな」
 彼は地図を机の上に戻した。
「しかし敵もそれは読んでいるだろう。おそらくこの星系に戦力を集結させてくるぞ」
「そこを叩けばいいのです。彼等の兵力は我々のそれより少ないですし一度勝利を収めれば以後の作戦がより楽になりますよ」
「確かにな」
 彼はベルガンサの言葉に頷いた。
「ではまずはエマムルドを陥落させよう。そしてそれからはそこを足掛かりとして同盟諸国を各個撃破していく。それでいいな」
「ハッ!」
 提督も参謀達も一斉に敬礼した。こうしてエウロパの作戦行動は決定した。
 彼等はすぐに作戦行動に移った。モンサルヴァート率いる艦隊がサンドリムに侵攻してきた。
 その報告はすぐにシャイターンにも伝わった。彼はその時既にエマムルド星系にいた。
「そうか、やはりサンドリムに来たか」
 彼もエウロパの動きは読んでいた。そして既にこの星系に主力艦隊と共に駐留していたのだ。
「規模はどの程度だ?」
 彼は傍らにいる同盟諸国の情報参謀の一人に対して問うた。
「ハッ」
 参謀は彼が所属する国の敬礼をした。
(これもすぐに統一しなければいけないな)
 シャイターンは密かに思ったが口にはしなかった。
「規模にして六個艦隊程のようです。そしてその後方に多数の揚陸艦が確認されております」
「そうか、明らかにこのエマムルドに侵攻してくるつもりだな」
 シャイターンはそれを聞いて言った。
「敵の指揮官はわかるか」
「モンサルヴァート司令自ら出撃しております」
「何っ、彼自らか」
「はい、旗艦リェンツィも確認されております故」
「そうか、彼自ら来たか」
 彼はそれを聞いてほくそ笑んだ。
「諸君、どうやらこのサハラ北方を完全に我々の手に取り戻す時が来たようだぞ」
 彼は艦橋にいる者全てに対して言った。

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