第16話
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
麻生恭介は今まで普通の生活をしていた。
能力はとてつもない能力で過去に凄まじい物を見せられたこと以外は至って普通の学生である。
高校に入学する前は面倒事など一度も出会わなかったのだが・・・・
「・・・・・・」
麻生の目の前に人が倒れている。
正確には散歩をしていた時、相手の方からぶつかりその衝撃が原因なのかふらふらと崩れ落ちてしまった。
これが普通の人なら麻生も手を差し伸べたかもしれないが、倒れている人の服装が巫女服なのだ。
性別は女性で髪は腰のあたりまで伸びていてサラサラとした黒色だ。
麻生はこの女性からとてつもなく面倒な匂いを感じ取ったので、一秒でも早く此処から逃げ出したかったが周りの視線がそれを許さなかった。
傍から見たら麻生がぶつかったせいで、女性は倒れたと勘違いされているようだ。
本当は全く逆なのだが。
とりあえず、麻生は女性に意識があるか聞いてみる。
「おい、大丈夫か?」
声をかけるとうう、と返事ではないが声は聞こえたのでとりあえず生きてはいるようだ。
すると、顔を麻生の方に向けて一言発した。
「お腹減った。」
「・・・・・・・」
麻生は逃げ出したいと心の底から思うのだった。
何でもこの女性は腹が減っていてその時、運悪く麻生とぶつかりそれが駄目だしになり動けなくなったらしい。
麻生はこの女性を置いてどこかへ行きたかったが、そうすることも出来ず結局近くの近くのファーストフード店に入る事にした。
麻生は無能力者なので学園都市からは最低限生活するくらいのお金しか振り込まれないが、麻生の親から仕送りが贈られてくるので普通の学生よりお金は持っている。
それに麻生はそのお金はほとんど使わないのでお金が有り余っている。
「何でも。頼んでいい?」
「一応、奢られる立場だって事を考えろよ。」
麻生がそう注意したのに一番高いセットを頼む。
麻生は以前の自分なら周りの視線とか全く気にしなかったのにと、自分でもよく分からない変化に少し戸惑っている。
この暑さなのか店内は客がとても多く見た限り席は空いてなさそうに見えたが、一つだけ空いていたので麻生と女性が向かい合わせになるように座る。
女性はいただきます、と言ってトレイにあるバーガーを食べ麻生は窓の外を眺めている。
「貴方も食べないの?」
「そんな見るからに栄養が偏っている食べ物は食わない。」
「その栄養が偏っている食べ物を私は食べている。
食欲が無くなったから別の物頼む。」
どうやらこの女性はまだ食い足りないのか女性は右手を差し出しお金を要求してくる。
麻生は財布からお金を渡すとそのまま女性はレジに向かって歩いていく。
麻生は今の内にどこかに逃げようかと考えた時だった。
「あれ、恭介じゃね
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ