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少女は 見えない糸だけをたよりに
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「香波 今 どこ? やっと、お寿司受け取れたのよ! 混んでてね」

「お姉ちやん・・・私・・」

「香波 どうしたの? なにー どうかしたの?」

「私・・ 今・・」と、泣き始めていた。

「香波 今 どこにいるのよー」

「うん ここに・・ お社 お姉ちゃん・・」

「わかった 直ぐ行くからね 動かないでね」

「香波 かなみー」と、お姉ちゃんが来てくれた時、私は抱き着いて、本当に声を出して泣いていた。

「もう大丈夫よ 落ち着いて! 安心だから」と、抱きしめてくれていた。その後、お父さんと合流して、タクシーで帰ってきた。

 落ち着いた後、私は、お父さんとお姉ちゃんを前にして、訳を話し始めた。島にいる時、観光で来ていた男たちに襲われかけた時、バクに助けてもらったこと。以来、数人の男の人が近づいてくると、怖くて身体が震えてしまって、ひどい時は動けなくなってしまうことを。

「そうか やっぱり そんなことがあったのかー なんかあるとは思っていたが・・
 すまんな 一人にしてしまって」

「私も ごめんね 近くだからって 大丈夫だろうって 私が悪いのよね 一人にしてしまったから・・」

「ううん ごめんなさい 私 もっと 強くなんなきゃいけないのに・・ 普通のこと出来なくって・・」

「香波 それは 違うわ 誰だって 女の子がそんな風にされると怖いわよ それに、香波がそんな目にあってたこと知らなくて 気持ちわかるわよ だけど 嫌って声を出す 勇気は必要よ でないと、ずーと 今日みたいに怯えなきゃなんないわよ 香波は身寄りもいないのに、京都に出て来た勇気があるんだから、出来るでしょ 強くね」

「うん」と、私は返事をしていたが、いざとなるとわからなかったのだ。

「まぁ ワシも悪かった。のんきにビールを飲んでいたんだからな 守ると言いながら、油断していた」

「まぁ 飲んでいたんですか 誘いだしていながら・・ あきれた」と、お母さんが・・

「違うんです お母さん 私が勝手言って お側を離れてしまったから・・」

「いいの! 香波ちゃん 悪くないわ 浮かれ過ぎていたんじゃぁないんですか こんな可愛い娘を持っているってこと 少しは 自覚してもらわなきゃね」と、今日のお母さんは、普段と違っていた。

 その夜、お姉ちゃんに

「香波 聞いて 私は、香波が男の子みたいな恰好している方が安全だと思うのよ だけど、香波は女の子としても可愛いし美人なのよ だからね 可愛くするのは、特権だと思うの その人にしか出来ないんだもの 芸能人だってモデルさんも、そうでしょ 精一杯アピールしているわ その人だけの特権 誰にでも出来ることじゃぁ無い 天から授かったものなのよ 香波もそうなの だから、
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