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Fate/WizarDragonknight
大荒魂
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背後で、可奈美が美炎の腕を引き寄せている。
 その間に、ウィザードは防御札の魔法を切る。

『ディフェンド プリーズ』

 赤い炎の魔法陣が出現し、ウィザードはそれを前面に突き出す。同時に、炎の熱量が魔法陣を貫通して伝わって来た。

「ぐっ……!」
「ハルトさん!」
「大丈夫……!」

 右手で魔法陣を支えながら、ウィザードは左手でサファイアの指輪を掴み取る。

『ウォーター プリーズ』

 より大きな魔法陣が、ウィザードと防御魔法陣の色を変えていく。水となったウィザードは、さらに手にしたウィザーソードガンにサファイアの指輪を読み込ませる。

『ウォーター シューティングストライク』

 水の必殺技の一角。それが発動すると同時に、防御の魔法陣が解かれた。

「はああああああああああああああああああああっ!」

 だが、ウィザードたちを焼き尽くそうとする炎は、すぐさまウィザーソードガンより放たれた水流に押し流される。だが、それはほんの一瞬。風により助長された炎は、魔力を混ぜ込んだ水流を一気に蒸発させ、そのままウィザード、可奈美、美炎の体へ迫る。

「ダメかっ!」
「まだだよ!」

 今にも迫ろうとする、炎の波。
 だがその前に、美炎の背中が飛び込んできた。

「美炎ちゃん!」
「ここまで威力を下げてくれたならもう大丈夫! 行くよ清光……これがわたしたちの全力!」

 美炎は加州清光を、炎の波に突き立てる。
 すると、炎は渦を巻きながら、美炎の剣に吸収されていく。
 だが。

「……うっ!」

 着地したウィザードと可奈美は、呻き声を上げる美炎を見上げた。
 だんだん美炎に吸い込まれていく炎の量が増えれば増えるほど、美炎の目、髪、体の写シが赤くなっていく。
「ぐ……あっ……!」
「これは……!?」
「美炎ちゃん!?」

 やがて、全ての炎を吸収した美炎は、そのまま力なく着地した。可奈美は彼女の背中をさすりながら、恐る恐る尋ねる。

「美炎ちゃん、これは一体……?」
「えへへ……何か、出来ちゃった」
「出来ちゃったって……」
「へえ、これは驚いたな」

 突然降って来た、新たな者の声。それに、ウィザードと可奈美はぎょっとし、さらに背後のブライはマスクの下で表情を歪めた。

「トレギア……!」

 この事態のあらゆる元凶、トレギア。闇の仮面の奥より赤い眼差しが、地下空洞の入り口からウィザードたちを見つめていた。

「やあ」
「キサマッ!」

 気さくなに手を上げたトレギアへ、ブライが斬りかかる。ラプラスソードをよけ、その腕を受け止めたトレギアは、ぐいっと彼へ顔を近づけた。

「おいおい。少しは私にも喋らせてくれよ。それとも、セイバーのマスタ
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