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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第15節「間奏─学士の来日─」
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ては褒めて遣わすが、あくまで結果論だ。今後、その魔剣の調整が完璧に終わるまでは、お前の出る幕はない。異論は無いな?」
「いえ……その猶予、無駄にはしません。必ずや応えてみせましょう」

ノエルは腰を上げて一礼すると、研究室へ戻ろうと踵を返す。

四騎士の台座の前を横切るその時、ガリィが訝しむような目で呟いた。

「さっきの醜態、本当にただの暴発なんですかぁ?」
「……何が言いたい?」
「別にどうってこと無いですよ〜。ただちょ〜っと気になっただけです」
「フン……」

ガリィからの問いかけには答えず、ノエルは広間を出る。

シャトーの廊下をしばらく歩いて、彼は壁にもたれかかった。

(あの時……ダインスレイフの方から流れ込んできたモノは──)

腰のホルダーから抜いたナイフの刀身を、光に照らして眺める。

ダインスレイフの破片と差し替えられた刀身は一筋、妖しい煌めきを放っていた。

ff

「九死。やれやれ、危ないところだった……」

下水道に横たわる青髪の少年を見下ろしながら、ホッと息を吐く。

正直なところ、間に合うかは五分五分だった。なにせ、見つけた時には既に交戦していたし、私が介入する前にビルが崩れてしまったからだ。
それでも何とか間に合った。この少年の生命は、無事に救う事が出来た。

念のため少年の脈を取り、心拍を確認する。
慣れたものだ。まだまだ医者としてやっていけるだろう。

「息はあるが、かなり傷ついているようだ。あの呪いを受けてこの傷で済む辺り、シンフォギアの防御性能はかなりのものらしい」
「……ぅ……ぁ……」

少年が口を開く。
どうやら意識が朦朧としているらしい。

「だ……だれ、だ……?」

至極真っ当な質問が、少年の口から飛び出した。
この傷だと、すぐに気絶してしまうだろう。詳しいことを聞かせるのは、治療の後にしよう。

だが、それはそれとして名乗るのは礼儀だ。
後で改めて自己紹介する必要はあるが、手間とは言えまい。

「私はヴァン・フィリップス・グリム。今はゆっくり眠るといい」

私が名乗り終えたか否か、そのタイミングで少年の意識は闇に落ちていった。
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