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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第5節「砕けたシンフォギア」
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「高質量のエネルギー反応ッ!……敵を前にして、どうして戦わないんだッ!?」

キャロルと対面する響の映像を見て、藤尭は困惑する。

その様子を見て、弦十郎は居てもたってもいられず、ネクタイを緩めながら司令席を立つ。

「救援を回せッ!いや、相手がノイズでないなら俺が出るッ!本部を現場に向かわせろッ!」
「いけませんッ!司令がいないと指揮系統が麻痺しますッ!」
「そうね……今回は私もあおいちゃんに賛成。状況が混乱してる今、指揮を執る弦十郎くんがここを離れちゃうのは悪手よ。残念だけど、ここは堪えるべきだわ」
「く……ッ!」

常に冷静な友里、そして参謀役とも言える了子にまで止められ、弦十郎は歯噛みしながらも踏み止まる。

「了子さん……この一連の騒乱。昨夜確認された謎の反応と関係があるのでは?」
「うッ……!」
「ッ!?了子ッ!!」

弦十郎が振り向くと、了子が眉間に皺を寄せ、額を抑えている。

「どうした了子ッ!まさか、また記憶が……?」
「ええ……。どうやらビンゴみたいね……」

駆け寄った弦十郎に支えられて立ち上がると、了子はスクリーンの映像を見ながらこう言った。

「確か、あのキャロルって娘……錬金術って言ってたわよね?」
「錬金術……科学と魔術が分化する以前のオーバーテクノロジーだったあの錬金術の事なのでしょうか?」

了子は目を瞑り、思い出すようにゆっくりと語る。

「ええ……フィーネの記憶にもあるわ。錬金術……魔法とも総称される、現代科学とは別次元に進化してきた異端技術の一種ね。かつてのフィーネは、錬金術師と交流があったみたいだけど…………ダメね。まだ、これ以上は思い出せないわ……」

ガクリと落ちる了子の肩に、弦十郎の手が添えられる。

「ありがと、弦十郎くん」

弦十郎の顔を見上げ、了子は微笑む。

「だとしたら、シンフォギアとは別系統の異端技術が挑んできているということ……」
「……新たな敵、錬金術師……」

新たな敵の出現。
S.O.N.G.司令室は、震撼した。

ff

翔と響がキャロルと対面している頃──

「おお……いい絵撮れてるぅ……。ラッキ〜」

まだ火の手が完全に消し止められていない火災現場に、より近くの安全地帯から火事の様子を撮影しようとしていた不届きな若者が一人。

最初はこの火災をSNSに投稿してバズろうと企んでいたが、青年の目的は途中で変更。

偶然見つけた、魔法陣を駆使して旋風を操る怪しい格好の少女と、茶髪の少女を守るように立つ灰色の鎧の少年。

建物の陰からカメラを覗かせ、青年は嬉々としてこの超常の風景を撮影した。

「へへ、こういう映像ってどうやってテレビに売ればいいんだっけ?」
「断りもなく撮るなん
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