暁 〜小説投稿サイト〜
ダタッツ剣風 〜業火の勇者と羅刹の鎧〜
第8話 魔剣・蛇咬太刀
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盗賊達を根刮ぎ吹き飛ばすのだった。

「ぐぎゃあぁあぁあーッ!?」
「なっ……なんだ!? 暴発ッ!?」
「危ないとこだったわね、ガガドっ!」
「その声は……エリスッ!?」

 爆風に飲み込まれていく盗賊達。その光景にガガド達が瞠目した瞬間――彼ら三人の前に、一人の少女が建物の屋上から颯爽と舞い降りる。
 エリスと呼ばれた、水色の髪をツーサイドアップに纏めた小柄な少女は、勝気な笑みを浮かべながら腰に手を当てていた。その白くか細い指先で、一丁のリボルバー拳銃をくるくると回しながら。

「残念だったわね、あんた達の活躍はここまでよ! このエリス様が来たからには、盗賊団なんてちょちょいのちょいなんだからっ!」

 ――自他共に認める、冒険者ギルドきっての美少女ガンナー。その異名(?)を欲しいままにしている彼女は、大砲が火を噴く寸前に砲口へ鉛玉を撃ち込むことで、内側から砲弾を暴発させていたのである。
 幼馴染(ガガド)にカッコいいところを見せてやった。そう言わんばかりにスレンダーな胸を張るエリスに対し、ガガドをはじめとする三人組は何とも言えない表情を浮かべている。

「……これがなけりゃなぁ」
「ちょ、ちょっとガガド! クルト! ティアまでっ! なんで全員揃いも揃って微妙な顔してんのよーっ!」

 そんな彼の態度に、エリスがぷりぷりと怒り出す。それもまた、冒険者ギルドにおける日常茶飯事であった。

「……やるな、あいつら。こっちも負けてられないぜ」
「分かっている。……よそ見をしている場合ではないぞ」

 彼ら四人の戦い振りを遠目に見守りながら、無数の盗賊達を相手にしている二人の猛者も、若手の成長に頬を緩めている。完全に包囲されているというのに、彼らの佇まいには全く動揺の色がない。

 燻んだ黒鉄の鎧と、巨獣を絞めている蛇の紋章が施された真紅のサーコートを纏う、ハルバード使いの戦士・ベルグ。鎖帷子と十字の外套を纏い、艶やかな金髪を靡かせるバスタードソードの使い手・マリ。
 冒険者ギルドの中においても五指に入る二人の実力者にとっては、自分達を取り囲んでいる盗賊達など眼中にないようだった。

「おいてめぇら、俺達を無視してんじゃねぇ! 数では完全に負けてんだぞ!? 状況分かってんのかッ!」
「その女と装備を置いていきゃあ、命だけは助けてやるって言ってんだぜ!?」

 一方、盗賊達はそんな二人に怒号を上げながら、マリの身体に粘ついた視線を注いでいる。彼女の装備を内側から押し上げる豊満な肢体に、好色な笑みを浮かべている悪漢達は――この期に及んで、未だに力量差を理解していない。

「……貴様らが、何かを選べる立場に居るとでも思うのか。片腹痛い」
「構わねぇから、さっさと来な。ウチの連れは、実力もないくせに威張
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