暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
我妻由乃
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……」

 登校してきたまどかは、机に佇むほむらへかける言葉を探していた。
 昨日、ハルトさんが大怪我したんだけど、何か知らない? どうして戦っているの? 聖杯戦争、なんで参加しているの? ハルトさんたちと協力して、この戦いを止めようよ。
 だが、何一つ言葉は出なかった。
 まどかは席に荷物も置かず、ずっとほむらの席で立っていた。やってくる生徒たちに応じて道を譲りはすれど、ほむらの席の近くからずっと動けないでいた。
 やがてしびれを先に切らしたのは、ほむらのほうだった。

「何かしら?」

 ほむらはため息をついて、腰をひねってこちらを向いた。まどかはモジモジと手を擦りながら、

「その……ねえ、ほむらちゃん。昨日……」
「?」
「昨日、その……キャスターさんは……」
「キャスター?」
「どこにいたのかなって……」
「知らないわ」

 ほむらはそれだけで、まどかから目を離した。だが、まどかは折れずに続ける。

「昨日、ハルトさんが大怪我したのって、知ってる?」
「ハルト……松菜ハルトね」
「うん」
「知らないわ。興味もない」
「でも……」
「貴女も、あの時キュウべえの話は聞いたはずよ。この聖杯戦争は、私と松菜ハルト、必ずどちらかは命を落とす。私は、松菜ハルトに徹底して敵として接するわ」
「どうして……?」
「私には、叶えたい願いがあるからよ」

 彼女は、まどかを真っ直ぐ見つめていた。強く、熱く。これまで見たほむらの目線の中で、一番強い視線だった。
 その時。

 ぐにゃり。

 教室が歪んだ。

「な、何?」

 思わず叫んだのはまどかだけではない。
 木製の床が赤黒いものに変色していく。
 質素な壁が醜悪な檻へと変わっていく。
 パニックになる生徒たちの悲鳴が重なり、変質した教室に木霊していった。

「きゃああああああああああ!」

 まどかも悲鳴を上げて、目を覆う。大きな揺れと混乱で、何もかもが分からなくなる。
 そして。

 日常の中心であった教室は、まるで怪物の胃袋の中のような、不気味な世界に成り果てていた。

「キャスター!」

 茫然とするまどかの自意識を我に返させたのは、立ち上ったほむらの声だった。見ればほむらはすでに魔法少女の姿に変身しており、彼女の傍らには黒い粒子が集い、黒衣の天使がその姿を見せていた。
 教室内でのほむらの異質な姿だが、すでに教室の異形化というものがあり、彼女に気を留めるものはいなかった。
 その中、キャスターはほむらに膝を曲げながら伝えた。

「校内に、マスターに匹敵……いいえ、上回る魔力を感じます」
「私以上の魔力?」

 キャスターの言葉に、ほむらは顔をしかめていた。
 だが、二人にとっての部外
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ