暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
"save me save you"
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「手あたり次第に絶望しろおおおおおおおおおお?」

 突如として、街全体に響く大きな声。閑静な住宅地に、そぐわない悪魔がいた。
 まどかに、住み込みを探している店へ案内してもらっている途中。まどか曰くまだ半分くらいの道のりの途中で、果たしてこの町に来て何度目だろうか。ハルトにとっての敵がいた。

「ファントム……! また……!」
「え? 何あれ……?」

 当然、可奈美は初めて見るであろう怪物の姿に驚愕している。ハルトは彼女を庇う様に手を伸ばし、

「まどかちゃん、可奈美ちゃんをお願い」
「は、はい!」
「いい返事」

 目を白黒させる可奈美と、彼女をこの場から離そうとする可奈美を尻目に、ハルトは走りだした。指輪をベルトにかざし、起動させる。

『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』
「変身!」
『フレイム プリーズ』

 発生した魔法陣をくぐりながら、ハルトの姿が変わる。
 火のウィザードは、ソードガンを振るい、出会い頭にファントムを切りつけた。

「ぎゃあ! 何だ、貴様は?」
「通りすがりの魔法使いさ」

 クルクルとソードガンを回しながら、ウィザードは答えた。
 ファントムは立ち上がり、こちらへ向かってくる。
 ウィザードは体を回転させながら、蹴りでその肉弾攻撃を弾く。返しに切りつけ、的確にダメージを与えていく。

「悪いね。今忙しくてさ。初めまして、さようなら」

 ソードガンのハンドオーサーを起動。ルビーを読み込ませ、炎の刃が形成された。

『フレイム スラッシュストライク』

 構え、『ヒーヒーヒー』という音声とともに、一歩踏み出す。そのまま炎の刃がファントムを裂き、粉塵に帰すいつもの流れだ。

 だが。

「ちょっと待ちな!」

 そんな声が、ウィザードのトドメを食い止めた。
 振り向けば、まどかと可奈美が、もう一体のファントムに捕まっていた。巨体により、左右の腕でそれぞれ締め付けられていた。

「まどかちゃん!」
「よそ見かよ!」

 背後の痛み。人質に気を取られ、さようならを宣言したファントムの攻撃に、地面を舐める。

「悪いな。俺たちは双子のファントムだ」
「分かるよな? こいつらを傷つけたくないなら、動くなってやつだ」
「お前ら……!」

 ルビーの仮面の下からギロリと二体のファントムを睨む。
 並び立てば、二体のファントムはコントラストな色合いだが、全ての部位が同じだった。

「クソッ!」
「おっと、動くな」

 指輪を取り換えようとした瞬間、最初のファントムが右手をまどかへ向ける。

「別にお前が怪しげな魔法を使おうと勝手だが、その前に女が死ぬぞ? お前の魔法が届くよりも先に、俺が殺っち
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ