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【完結】RE: ハイスクール D×D +夜天の書(TS転生オリ主最強、アンチもあるよ?)
第3章 奪われし聖なる剣
第16話 善悪の彼岸
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決意した。
娘のために、平穏に暮らそうと、決断した。
二人の望みは、小さな幸せ。ただ家族と暮らすこと。
二人の願いは、娘の幸せ。ただ日常と平穏を得ること。
――――そんな、どこにでもいる家族の話だった。
◆
――――ヴィータは、八神はやてを知っている。
「――というわけさ。まあ、ありがちな物語だね。
最後は、はぐれ悪魔が、『偶然』やってきて殺されたわけだ。
『何故か』エクソシストに気づかれることなく、ね」
無表情で、はやては語り続けた。
発端は、紫藤イリナとの出会いらしい。
面識のないはずの彼女から、親しげに話しかけられた。
しかし、彼女と過ごした記憶はない。
疑問を感じて、過去を振り返ってみれば、あたしたちと会うまえの記憶が酷くあいまいでおぼろげだ。
――――ヴィータの知る八神はやては、優しく慈愛に溢れていた。
「奇跡的に一人娘だけは、助かることが出来た。
だが、それは誰かが起こした奇跡だった。
その奇跡を起こしたのは、とある少女だった。
彼女の願いが――」
不安を感じたはやては、帰宅した後、両親の寝室を兼ねた書斎を調べた。
その部屋は、様々な想いが詰まっており、長らく掃除だけして保存してあった。
手紙やアルバムに書籍と、雑多なものが置いてある。
その中に、父の手記を見つけた。
どうやら、日記らしく、ずいぶんと古ぼけていたが、使いこまれていることが見て取れた。
――――ヴィータの知る八神はやては、凛々しく毅然と振る舞っていた。
「つまり、ボクの正体は――」
日記には、父と母について、色々なことが書かれていた。
二人が、いつどこで出会い、どうしてここで暮らし、どうやって今まで生活してきたのか。
二人が、何をして、何を思い、何を願ったか。
二人が、どれだけ娘を愛していたか。
――――ヴィータの知る八神はやては、家族を愛し守ろうとする強い少女だった。
「――――これが、ボクの正体だ。
まだ、推測の部分が多いが、おおむね合っていると思う。
なにせ『思い出した』からね」
あたしは、はやての両親を知らない。
起動したときには、二人は既に殺されていて、主を守ることで精いっぱいだったから。
けれども、父と母の亡骸にすがり、すすり泣いていた姿から、分からないはずがない。
はやては、間違いなく父母を愛していたし、両親もまた彼女を愛していた。
――――ヴィータの知る八神はやては、泣き虫で傷つきやすい幼子だった。
「――『転生か、憑依か、現実か』ってね。
いままで疑問に思いつつも、答えはでなかった。
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