暁 〜小説投稿サイト〜
魔法使い×あさき☆彡
第四章 カズミちゃんはアイドル?
[18/19]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「もう、憧れない……」

 (ほし)(かわ)()()()に、というよりも、アイドルとか、そういう可憐な世界に。

 なれたらいいなー、とかも思わない。
 目指さない。
 あたしは、これでいいんだ。

 と、そう思えるようになったから。

 アサキのバカに感謝だ。
 そういう気持ちにさせてくれたことに。

     10
「だからって、なんでお前が目指すんだあああああああ!」

 (あき)()(かず)()の悲痛な絶叫が轟いた。

「♪ おくのおすなああきらきらあっ ♪ ……特に理由はないけど、カズミちゃんが諦めるのもったいないから代わりにわたしが、って思ってえ。♪ はあてなくうひろがるほひぞらのおおなかああああ ♪」

 ここは学校の屋上。(りよう)(どう)()(さき)が楽しげな笑顔で、手マイクで歌い続けている。
 
「だからって、よりによってなんでお前が……。こ、鼓膜がっ、脳があ……」

 両耳を押さえて、苦悶の表情で身悶えしているカズミ。

 カズミだけではない、横にいる(はる)()たちも、それぞれ苦行に耐えているような凄まじい顔だ。

「下手を、遥かに、通り過ぎておる」

 治奈が青ざめた顔で、身体をがくがく震わせた。

「これ新種のイジメだよおお」

 成葉が泣きそうな顔になっている。
 いやかなり目に涙が滲んでいる。

「心頭滅却、心頭滅却。臨・兵・闘・者・皆・陣・列……」

 正香が目を閉じ、必死に精神を集中させて、快音波から意識をそらそうと努力している。
 額の脂汗が凄い。

「♪ うわれあえたぁあ奇跡イイイイイイイイ ♪」
「いい加減にしやがれええええええええ!!」

 ボッガーーーーン!

「あいたあっ!」

 頬に魂全力パンチを食らったアサキは、くるくるっと周りながらフェンスに物凄い勢いで顔面直撃して、ずるずるぐでーっと伸びてしまった。

「わたくし、カズミさんの乱暴なところは好きではありません。ですが、今だけは……今だけは感謝致します」

 正香は、ハァハァ息を切らせながら、カズミの両手をがしっと握った。

「このままだったら、あたしたち全滅してたからな。助かっても、脳機能に後遺症が出たりとか。しかしすげえな、こいつの歌声。ヴァイスタ倒せるんじゃねえの?」

 ブーーーーーー

 五人のリストフォンが、一斉に振動した。

「ヴァイスタ出よったって」

 治奈が、いち早くリストフォンの画面を開き、出現位置の確認をしている。

「カズにゃんが余計なこというからあ」

 成葉、不平顔で糾弾だ。

「あたしが呼んだわけじゃねえよ! つう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ