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前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
こころづよいくず
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抜かりないな」

対価……つまりロキの狙いは………。

「ん。私たちに差し出せる物はこの新薬しかない」

「せや。それでええ」

ナァーザさんが差し出した試験管をリヴェリアさんが受けとる。

「それはデュアルポーション。体力と魔力を同時に回復できる」

「ほう、そらすごいな」

ロキはリヴェリアさんの手から試験管を抜く。

ちゃぽちゃぽ揺れるデュアルポーション。

「ナァーザちゃん。これ原価幾ら?」

「ま、まだ試作段階だからわかりま、せん」

ナァーザさんが答えると、ロキは何やら考えだした。

「ふーん………二倍…三は無理か…うん…」

「え?」

「量産体制が整うたら原価の二倍で買い取るわ。せやからウチのファミリアに優先的に卸してほしい」

ロキがニタニタと笑いながらミアハ様とナァーザさんを見つめる。

「ああ。約束しよう。直ぐに量産体制を整え、ロキファミリアに優先的に卸すと」

「決まりやな」

どうやら僕らは、ロキの掌の上で弄ばれていたらしい。


帰り際にナァーザさんにお礼を言われた。

「今回の件、ロキファミリアだけじゃなくて私たちにも利がある取引だった。
きっとこの結果を持ってきたのはベル」

「いえ、所詮僕はロキの操り人形ですよ」

「んーん。ベルが居たからこそ。だからありがと、幸運の兎さん」

ぽふぽふ、と僕の頭を撫でてナァーザさんは店に戻っていった。

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