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前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
こころづよいくず
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ける。

「お、これはつまりこういうことかいな」

とロキがアイズさんの膝の上に座ろうとして殴られていた。

「最近冷たない?」

「そのまな板みたいな胸に手を当てて考えたらわかるんじゃない?」

「言うなぁ…ベル」

ロキは僕の隣の木箱に腰を下ろした。

「ところでロキはどんな用事でここに来たの?」

「ん? ああ、それか。ミアハが来たら話すわ」

「ロキ、僕はもう謝罪を受け取ってるから……」

「ああ、ちゃうちゃう。そないな話やない」

じゃぁどんな話なんだろうか?

「ま、悪いようにはせんから安心せぇ」

暫くして、ナァーザさんとミアハ様が奥から出てきた。

「ん? 人数が増えているな…。おお、これはベルの主神殿ではないか」

「こうして面と向かって話すんは初めてやなミアハ」

「して、此度はどのような用件だろうか。ベルへ行った事については…」

「まぁ、おちつけ」

とロキが手で制す。

「今日、ディアンケヒトファミリアに行ってきた」

「ディアンの所へ? なぜ?」

「ん? そらぁ、お前…。ナァーザちゃんが可愛かったからや」

「「は?」」

僕とミアハ様は揃って首を傾げた。

「リヴェリアに頼んで、ディアンの所のエルフに聞き込みしてもろうたんや。
そしたらナァーザちゃんのアガートラム、試作品らしいな」

「試作品…ですか?」

「そや。ナァーザちゃん。ちょっとこっち来てみぃ」

とロキがナァーザさんを手招きした。

そして、ナァーザさんのアガートラムを握る。

「感覚ないやろ? 完成品のアガートラムやったら痛覚あるんやで」

「な!? なら私はディアンに…!?」

ミアハ様が声を荒げる。

こういう人が大声を出すときはガチギレしてる時だ。

「そう。騙されとったんや」

ミアハ様が拳を握りしめる。

「せやから、ウチがその借金帳消しにさせた」

「「「「え?」」」」

帳消し? ミアハファミリアの借金を?

「私情で法外な値段を吹っ掛ける。まぁ、ここまでは許したるわ。
でもな、不良品押し付けるのはアカン」

ロキがリヴェリアさんに目配せすると、リヴェリアさんは懐から数枚の書類を取り出した。

「神ミアハ。これがその証拠だ」

「ほ、本当なのか…?」

どうやら借金を帳消しにするといった内容の誓約書らしい。

「嘘ついてどないすんねん」

ミアハ様はその書類の端から端まで読んでいるようだった。

そして、大きく溜め息をついた後。

カウンターに手をついて脱力した。

「さて、ミアハ。この対価に何を差し出す?」

「………ああ。そういう事か。流石は悪神ロキ。
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