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おっちょこちょいのかよちゃん
10 守りたい清水市(まち)
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「この女性はフローレンス。私と同じ世界から来た者だよ。そしてこの二人は隣町の小学校の女子、山田かよ子君と冬田美鈴君だよ」
「え?こ、こんにちは・・・」
「こんにちは・・・」
 かよ子とすみ子はお互い挨拶しあった。
「私もこの世界の異変が気になってるんだ。それでお母さんから貰ったこの杖を武器にしてるんだよ。この杖もイマヌエルさんやフローレンスさんの世界の物なんだって」
「そうなんだ・・・」
「すみ子ちゃんって言ったよね?すみ子ちゃんもイマヌエルさんから武器を貰ったって?」
「うん、そうよ。私、この前の地震のような現象が起きてからこの清水がどうなっちゃうのか心配になってるの。そんな時イマヌエルさんと出会ってあの高台にこの世界を守る為の道具があるって言われて学校の友達と行ったらその道具を見つけたんだけど、そしたらあの秘密基地があったのよ・・・」
「そうなんだ・・・」
「でもだからって人の基地を奪っていいのお!?」
 冬田はまだ落ち着きを取り戻していないようだった。
「その基地からは私達の住んでる社宅があって海も町も私達の通う学校も見えたの。それであの風景をいつまでも残しておきたいって思ってそれで基地をとっちゃったの・・・。あの子達にも悪いと思ってるし、私もこの争いを私は止めたいの・・・」
「そっか・・・。すみ子ちゃん、私も本当はこの喧嘩を止めたいよ。でも私には基地の事を教えてくれなかったし、止めようとすると秘密を知った事になって怒られちゃうんだ・・・。それに私、秘密基地を造った一人の杉山君が好きなんだ。それで嫌われるのが怖いんだよ・・・」
「分かったわ。協力しよう!」
「うん!」
 かよ子達は喧嘩を鎮静させる作戦を立て、すみ子と別れた。

 杉山、大野、ブー太郎、そしてまる子の「次郎長」は退散したのち、街角に着いていた。ブー太郎の体の痺れはやっと収まった。
「うう、やっと動けるようになったブー」
「しかし、あいつらにどう対抗しようか・・・」
 杉山は考えた。そして数日前の山田かよ子の家での闘いがなぜか脳裏に蘇った。
(あいつらの武器、なんか普通じゃねえな・・・。山田のあの魔法の杖みたいに・・・)
 その時、四人の前に一人の人物が現れた。
「お主らが組織『次郎長』か・・・」
「誰だ!?」
 その人物はいかにも江戸時代の武士のような格好で眼帯をしていた。
「某は森の石松。嘗てこの世で次郎長の子分として生きていた者だ・・・」
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