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人理を守れ、エミヤさん!
絶対■■戦線フィランソロピー
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。これぐらいでやれると、まだこちらを侮ってくれている。この間に対策を練らねばならない。――しかし敵のサーヴァントが多すぎる。どうなっている? 動員可能なサーヴァントは何騎なのか。どんな条件、制約があるのか。なんの制限もないまま、こんな馬鹿げた数の英霊召喚など出来る訳がない。何か弱点があるはず……。
 情報が足りない。このまま耐えているだけでは、いつか必ず戦線が破綻する。何か切っ掛けを作らねばならない。しかしその切っ掛けは……どう作る?

 チッ、と舌打ちして。シロウは眼帯を撫でる。判断の材料、行動に移るためのファクターが足りない。
 つまるところ、情報不足。この一言に尽きた。送り出した二百名の兵士連中が、なんらかの情報を持ち帰ってくれるのを期待するしかない。
 彼らなら、これだけの大軍がマザーベースに迫っているのを発見出来ているだろう。秘匿されている地下通路を通ってマザーベースに帰還し、この状況を打破出来る重要な手掛かりを寄越してくれるのを祈る。
 シロウは手詰まりな戦況に頭を痛めながらも、戦線の維持に知恵を振り絞るしかなかった。





 ――この時、戦端を開いてより早くも一週間が過ぎようとしていた。
 『人類愛』を擂り潰さんと送り込まれ続ける、無限に等しい軍団の侵攻を――しかし『人類愛』は頑強に跳ね返し続けている。

 防ぎ切れている要因は無数にある。マザーベースの北部の前線基地を預かるアルトリウス・カーター、東部を預かるエドワルド・シュピッツ、南部を預かるヘルマン・アーディスド、西部を預かるカール・ウィリアムズ。彼らの緻密な連携。
 大軍を相手取れるアルジュナ、シータ、スカサハの力。対サーヴァントに決戦戦力として運用出来るネロと沖田。
 一年をかけて構築した防衛ライン。着弾するのと同時に、自動的に起爆するように改造した投影宝具を打ち出す『剣砲(シェル・キャノン)』の開発。食料や医薬品、剣弾の開発と備蓄。

 人智の限りを尽くした防衛システムによって、彼らは辛うじて戦えていたが――状況が悪化する前に、手を打たねばならない。しかし、それはシロウらには不可能に近かった。

 だが、運はまだ、彼らを見捨てていない。――遠く南東の地にて、義賊が。理想王が。湖の騎士と駿足の英雄を追跡している。

 マザーベースの苦境を察している二百の兵士達が、走る。彼らの邂逅が、終尾に立とうとしている同胞を救う機会を運ぶのだ。














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