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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第10話:New-type Airport
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ないか…」

いくら性能が向上してもイーグリードは自分の戦い方を知り尽くしている。

1216戦中、600勝600敗16引き分け。

これだけ間抜けな程に争っていれば自然と相手の手の内が分かる。

次にイーグリードが繰り出すのは羽ばたきによる攻撃だ。

ゼロの真上から鋭利なイーグリードの羽が落ちてくる。

羽の威力自体は大したことはないが全てを受けるわけにはいかない。

「爆裂炎!!」

ゼロは拳を甲板の床に叩きつけると火柱を発生させ、イーグリードの羽を尽く焼き尽くす。

大きく跳躍し、イーグリードに接近して零距離でチャージショットを繰り出そうとする。

ゼロのバスターのチャージの時間も大幅に短縮されており、かつての時よりも速く、強烈なチャージショットが放たれた。

イーグリードは咄嗟に体を捻ることで直撃はかわすが片翼と右腕を奪われた。

「ぐああああっ!!」

片翼と右腕を奪われたイーグリードは即座に体の痛覚を切ることで何とか耐える。

誤魔化しでしかないがこのままでは満足に動けない。

イーグリードの翼は姿勢の制御、浮力、速度の制御などを計算されて造られている。

電子頭脳と最も関わりのある部位のために痛みは想像を絶するだろう。

「くっ……」

戦闘の要となる翼を失ったイーグリードは表情を歪めており、翼を失った自分にはもう勝機はないことを悟っているのだ。

「イーグリード…降参しろ。その状態では満足に戦えないだろう」

「何だと…?」

降参を呼び掛けるゼロにイーグリードは目を見開いた。

ゼロはイレギュラーには一切容赦しない。

それは電子頭脳の異常でイレギュラーとなったイレギュラーハンターに対しても例外ではなかった。

その中には同期のハンターもいたのだから。

「変わったなゼロ…昔のお前なら一切容赦はしなかっただろうに……」

「エックスとルインの甘ったるい考えが移っただけだ…少しだけな…」

「そうか…だが断る。俺にイレギュラーの情報を吐かせようとしてもそうはいかんぞ。イレギュラーとなったが、敵に情報を売り渡すほど堕ちたつもりはない。」

イーグリードは非常用の装備である対装甲ナイフを取り出した。

普通なら緊急用の武装にしか成り得ない対装甲ナイフは使わないだろうが、主兵装であるバスターと片翼を失い、オプションメカも使い切ったイーグリードにはこれしかない。

しかし対装甲ナイフと言えどもこれは超振動モーターによって刃身を高周波振動させることで重装甲のレプリロイドのアーマーさえも容易く切断するほどの威力を誇る。

それを見たゼロも覚悟を決める。

「そうか…ならこの一撃で終わらせよう」

拳にエネルギーが収束していく
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