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前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
りーんかーねーしょん
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がうつ伏せになる。

その上にヘスティアがまたがると、己の指を針で挿した。

リリの白い背中にポタリと赤い雫が落ちる。

イコル。全ての神秘の根元。

物語を綴るインク。

リリの背に、篝火を模したエンブレムが現れる。

「ふむふむ……なるほど…?」

浮き上がるヒエログリフ。

ヘスティアがその数値に触れては書き換える。

「よし…終わったよ」

ヘスティアがそう言うと、ヒエログリフがかき消えた。

パチパチパチパチ…とベルが拍手を贈る。

「おめでとう。リリ。これで君は自由だ」




















その頃、ソーマは手渡された冊子の最後のページを眺めていた。

「生意気な子供も居た物だ」

ソーマが空を仰ぎ、ため息をついた。






冊子の最後には、こう書かれていた。

【貴方の作る酒は偽物だ。所詮人の手で作った神の酒のレプリカでしかない。
しかしそれ故に神の力で作った酒よりも価値がある。
その偽物が本物と同等ならば、本物になろうという意志の分だけ偽物には本物より重みがある。
きっと貴方の酒は、貴方が天界で作っていた酒よりも、その意志の重さだけ価値がある。】

酒の神が、僅かに微笑んだ。

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