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前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
たたかい
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薙ぎ払った。

一方ベルは向かってくる炎に対し、双刃を掲げた。

ベルへと向かった炎は双刃に吸い込まれ、人一人分の安全地帯ができる。

ベルが顔を横に向けると、オレンジの炎の中で食人花がもがき苦しんでいた。

一体、また一体と灰になる。

全ての食人花が焼き尽くされると、双刃が周囲の炎を全て飲み込んだ。

「ちょっとオーバーチャージかも…」

ベルは自分の内に渦巻く莫大な魔力に意識を向けた。

刹那。

━━━━━━━━オオオォォォッッッ!!!


雄叫びと共に、巨体が現れた。

「なんだよ……あれっ!」

ベルからかなり離れた位置に、奴はいた。

緑色の、雌型の食人花。

食人花を蛸の触手のように束ねた脚。

そこにロキファミリア幹部陣が攻撃を加える。

ベルが見ただけでも、幹部陣は有効打を与えられていなかった。

「囮が要るっ…」

ベルが得物を持ち替えた。

双剣から、長剣に。

「ヴェルニー」

ベルが風を纏い、中を蹴る。

交戦圏に侵入し、再び双剣に持ち替えたベルを、触手が襲う。

「フランロート!」

深紅と黄金の焔を纏ったベルの一撃が触手に浅い傷をつける。

深く切る必要は皆無。

中に焔を送り込めれば、燃え尽きる。

ブチブチブチィ…!

「バカなっ!?」

別の触手が、焔が回る前に切られた触手を引きちぎった。

「兎君! 本体をやらないとダメだよっ!」

「面倒なっ…!」

ベルは焔を纏ったまま触手の有効範囲から離脱する。

ォオオオアアァァァ……!!!

雌型の食人花がベルに視線を向けた。

自分を燃やしうるベルを脅威と見なしたのだ。

「こっちに来いっ…!」

ベルがバックステップで後退する。

ドシュッ! と全力の触手が一本つきだされる。

「プラムオーク!」

触手とベルの間に幾本もの火柱が上がる。

火柱を一つ通る度に、触手の外皮は焼け、ベルの下に届く頃には中程から焼け落ちていた。

フランロートを発動したまま、ベルが駆ける。

ベルが野原に雌型の食人花を誘きだす。

「【間もなく、()は放たれる。忍び寄る戦火、(まぬが)れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き」

リヴェリアの詠唱と共に、膨大な魔力を伴ったマジックサークルが現れる。

ォォォォォオオオオオオォォォォッッッ!?

雌型の食人花が振り返る。

「もう遅い!」

触手をうねらせ、雌型の食人花がリヴェリアに突進する。

触手がリヴェリアに殺到する。

雌型の食人花が勝利を確信した時。

リヴェリアがさっと飛び退いた。

霧散するマジックサークルと魔力。

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