暁 〜小説投稿サイト〜
デジモンアドベンチャー Miracle Light
第12話:優しさの槍戦士
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ブイモンに程良い絶望を味あわせたメタル属性のデジメンタル騒動から数日後、ブイモンは全く完成しないメタル属性のデジメンタルに殺意を抱き始めていた。

「うぐぐぐ…」

「元気出せよブイモン」

「お菓子作ってきたから食べてブイモン」

孤軍奮闘するブイモンに大輔達がおやつを持ってきてくれた。

「…おう」

今日はカステラだった。

レシピを見ながら作ったために少し不格好だが、味は良かった。

一方で賢は悠紀夫から電話が来て、デジモンを発見したとの報告を受けたのだが、大輔達はブイモンの問題から参戦出来ずに賢のみの戦闘となる。

「久しぶりだね、僕とワームモンだけなのは…と言うかやっぱり苦戦してるんだね。あの高難易度パズル」

「そうだね、まあ…仕方ないよ。説明書も何もないし…それより賢ちゃん…来るよ!!」

此方に迫ってくるのは巨大な昆虫型デジモン。

一瞬そのデジモンの容姿に目を見開いたが、すぐに気を切り替えて回避し、正体を探る。

「クワガーモン?」

「違うよ、賢ちゃん。オオクワモン…完全体だよ」

「完全体…大輔達がいないのにツイてないね…まあ、やれるだけのことはやらないとね!行くぞ!ワームモン!!」

「任せて!!ワームモン進化、スティングモン!!」

成熟期への進化を済ませると、相手が格上の完全体であるにも関わらずオオクワモンに果敢にも挑むスティングモン。

オオクワモンはパワーは凄まじいが、スピードは反応出来ない物ではないらしく、スティングモンが一撃離脱戦法をすれば勝ち目があるかもしれない。

「スパイキングフィニッシュ!!」

腕のスパイクを伸ばしてオオクワモンに刺突攻撃を繰り出すスティングモン。

スパイクは確かにオオクワモンに直撃したが…。

「っ!硬い…」

オオクワモンの体はやはり頑強でスティングモンのスパイクが全く通らない。

オオクワモンの豪腕がスティングモンに迫る。

「避けるんだスティングモン!!」

「くっ!!」

何とか回避して回し蹴りを叩き込み、オオクワモンを僅かに後退させた。

少しずつダメージを蓄積させていくしかないと、スティングモンは攻撃を繰り返していく。

「…まずいね」

賢がスティングモンとオオクワモンの戦いを見て、そう呟いた。

スティングモンはオオクワモンの攻撃に常に気を配りながら攻撃しているが、オオクワモンからすれば蚊に刺された程度のダメージしか受けていない。

このままではスティングモンの体力が底を尽き、負けてしまうと賢は判断し、何か方法はないのかと辺りを見回した時、鈴の音が聞こえた。

音の出所を探ると1匹の猫が近くにいた。

「あれは、ヒカリちゃんの家の飼い猫!?家
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