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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
31話:任官
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7という数字が出ている。
イゼルローン要塞は完成したが、アムリッツァ星域の第51補給基地を艦隊駐留基地に改築する事業が代わりに動き出した為、RC社の事業展開領域は好景気を維持できている。それもあっての数字だろうが、領民が明るい未来を描いていなければ、出生率がこの数字になることは無いので、個人的に喜んでいる。

出生率と言えば、ザイトリッツの日、幹事長のテオドール・フォン・ファーレンハイト氏は当初、フェザーンへの同行を申し出ていたが、同じく下級貴族出身の幼馴染と士官学校を卒業したのを機に結婚し、奥方の妊娠も発覚したため軍務省で分室を預かることになった長兄のローベルト大佐の下に配属されるように手配した。恩を返すのが遅れるなどと言っていたが、前世の経験も含めればどんなに仕事に精勤したところで、新婚時代と出産直後の育児をないがしろにすると一生嫁の尻に敷かれるので、恩返しはいつでもできると押しきっての手配だった。

嫁と言えば、ロイエンタール卿もイゼルローン要塞の完成を機に結婚している。お相手はマールバッハ伯爵家の3女、レオノラ嬢とのことだがケーフェンヒラー男爵曰く、資金援助を期待しての婚姻の可能性が高く、ロイエンタール卿が出来る人材だけに心配とのことだ。さすがにプライベートまで口を出す訳にもいかないので静観している。
長兄のローベルトにも待望の嫡男が生まれた。毎年プレゼントを考えるのは大変なので親族や友人たちの子弟の誕生日には、格式は事前に相談したうえで毎年シルバーカトラリーを贈る事で統一するつもりだ。これは前世の記憶で、子息の誕生日ごとに少しづつ貯めたお金でシルバーカトラリーを1つずつ買い足していき、成人するころには恥ずかしくないシルバーカトラリーが一式揃うというのと、万が一食べるのに困ったときに売れるという観点で、毎年贈り物をするのに意義があると考えた結果でもある。
長兄の嫡男、ディートハルトにも、テオドール氏の嫡男であるアーダルベルトにもシルバーカトラリーをしまう箱とともに銀の匙が届くことになっている。交友関係はなんだかんだ広いので、子息の誕生日プレゼントはこれで統一しようと思う。形式さえ決まれば手配は丸投げできるからね。

そんなことを振り返っているうちに入国手続きが完了したようだ。まずは帝国の高等弁務官と駐在武官長に挨拶に向かう。宇宙港から中心街に地上車で向かう。小一時間ほどだろうか、窓の外は宇宙最大の交易地の名にふさわしい高層ビル群が見えるし、市民もかなり裕福そうだ。帝国と叛乱軍の戦争を糧に得られた繁栄だと思うと複雑な心境になる。高等弁務官府に到着した。職員の先導で執務室に向かう。

「申告します。高等弁務官府駐在武官を拝命いたしましたルントシュテット少佐であります。短期の任期となりますがご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。」

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