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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
2話:転生?
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宇宙歴752年 帝国歴443年 1月5日 オーディン軍病院
ザイトリッツ・フォン・ルントシュテット

ひとまずローゼ先生を逃がすことに成功したがそれは祖母マリアとの一対一のはじまりを意味する。どうしたものかと思案する間もなく、マリアが話しかけてきた。

「ザイトリッツ?顔色は昨日よりだいぶよさそうね。まだ、どこか痛いところはある?」

「いいえ、おばあ様。またなにか考えるとまとまらない状況ではございますが、痛むところはございません。」

マリアは俺の左ほほに手を当てながら続ける。

「良かったわ。ルントシュテット家の男子たるもの弱音は吐くべからずとはいえ、貴方は事故にあったのです。痛む部分があれば、むしろ早めに伝えるのですよ?」

「はい。おばあ様。」

うーん。マリアは俺の事を祖父の生まれ変わりと猫かわいがりしてはいるが、祖父レオンハルトであればこうする!みたいなことを日々言っていた気がする。

「怪我をした際に変な意地を張って万が一のことがあってはそれこそ無謀というものです。一日も早く回復できるよう変な意地を張るつもりはございません。おじい様であれば、一日も早く万全にすることを優先されたはずですし。」

するとマリアは

「よくぞ申しましたザイトリッツ。それでこそルントシュテット家の男子でしょう。レオンハルト様もきっとお喜びの事でしょう。」

と、涙ぐみながら満足そうな表情をしている。
正解を言えたようだが、記憶があいまいな部分が多い事も事実だ。なにやら喜んでいるうちにマリアに確認してしまおう。

「おばあ様、昨日お伝えしたと思うのですが、事故の後遺症なのか、記憶にあいまいな所がございます。いくつが確認したいのですがよろしいでしょうか?」

「もちろんです。確認したいことはどんなことなのです?」

マリアが若干心配そうな表情を浮かべながらこちらを見つめてきた。

変に心配をかけることに少し罪悪感を感じながら昨夜、自分がザイトリッツと呼ばれることに対して感じた納得感の方を考えたときに浮かんだことを伝える。

ルントシュテット家の当主、ニコラウスの3男であること。長男、ローベルトが士官学校におり、次男、コルネリアスが幼年学校にいる事。

父、ニコラウスと母、カタリーナは軍務と貴族としての付き合いの為、オーディンの屋敷におり、領地になかなか戻れずにいる事。

母が不在の為、乳母のカミラ。乳兄弟のパトリックと伴に過ごしてきたこと

そして最後に、祖母マリアが領地経営を代行しているためシャンタウにいる事。母が多忙なため、自分は祖母の下で養育されていることと、祖父が反乱軍の名将との会戦で戦死したことを一つ一つ確認しながら話した。

「ザイトリッツ。他になにか覚えていることはあるのかし
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