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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第二部 原作開始
第二章 王子三人
第二十一話 小恋旋律
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。迂遠に見えて、共に行動することがザッハーク一味と雌雄を決する一番の近道だよー」

うん、私もそれがいいと思う。この子はいささか無鉄砲過ぎる。弓の悪魔と恐れられるラクシュを単身追いかけるなんて、恐れを知らないのだろうか。こんなことではすぐに死んでしまいかねない。そばに置いて、目を離さないようにしないと。

それに何だか目が離せない。ほっそりとしているのに男の私とはまるで違う体の曲線を何だか不思議と目で追ってしまう。ころころと変わる表情でいつも気持ちを偽らずに伝えてくれるのもうれしい。いつも元気で見ていて何だか微笑ましい。ずっと近くで見ていたいと思ってしまうのだ。何だろうな、この気持は。一体、何と呼ぶべきものなのだろう。

◇◇

エステル・デ・ラ・ファーノ。俺は彼女こそが人間アルスラーンをこの世界につなぎとめる楔だったと思っている。原作で彼女が死んだ時、俺はその時初めてこの世界の崩壊の序曲を聞いた気がするのだ。彼女がいなくなったがために、アルスラーンは一人の人間であることではなく、王者として在ることに専心するようになった。そして、ザッハークと対峙し、相打ちになることを厭わなかった。臣下を残して死ぬ主君があるか!お前は無責任だ!と何度叱りつけたいと思ったことか。

原作で彼女が出てくるのは第四巻汗血公路のことだったな。聖マヌエル城の攻防戦で初めて登場するのだった。とするとまだまだ先のことになるのか。ならばまだ彼女のことをそんなに考えることはないか。今はペシャワールについてからの自分の立ち回りについて、一つ一つおさらいをしておかなくてはな。

そんな風に考えていた俺は、後日諜者から、既にエステルがアルスラーン一党と行動を共にしているとの報告に、馬から転げ落ちそうになった。

ちょっと待て、あの逃避行にエステルが同行してるだと?危ないだろうが!特に途中で一人又は数人に分断される部分がマジでヤバい。大体、この世界ではアルスラーン一行の人数が変わってしまってるんだから、あのシャッフルの結果がどうなるか見当もつかない。

くそお、こうなったら一刻も早くペシャワールに着かなくては!そして、そこから速攻でアルスラーン一行を迎えに行くのだ!

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