第十七話
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第十七話 二人も感じる異変
赤音は春奈を自分が美味しいと思うクレープ屋に案内した、そうしつつ春奈に怪訝な顔で尋ねたのだった。
「最近先生達だけれど」
「ええ、ちょっとね」
春奈は赤音に不安そうな顔で応えた。
「これまでと違う感じよね」
「何か私達のこととは別にね」
「事情あるみたいね」
「博士は最近大人しいけれど」
天本博士はというのだ。
「最近神戸に妖しい気配感じるしね」
「そうね」
春奈は赤音に心配そうな顔のまま答えた。
「妙にね」
「そのことと関係あるのかしら」
「赤音ちゃんはそう思うのね」
「何かね。それ春奈ちゃんもでしょ」
「ええ、関係ないとは思えないわ」
どうにもとだ、春奈は赤音に答えた。
「やっぱりね」
「そうよね、最近神戸に感じる気配は」
妖しいそれはとだ、赤音はクレープ屋までの道を春奈と共に歩きつつ彼女に真剣な顔で言うのだった。
「これまでとは違って」
「妖しいけれど魅力的?」
「奇麗でね」
「そんな感じよね」
「その感じは」
まさにと言うのだった。
「女の、大人の人の感じで」
「それでいて人間じゃない」
「そんな感じだから」
「先生達は妖怪を懲らしめたことも多いっていうし」
そうしたことでも有名なのだ、先生達は。
「だからね」
「その妖しい、人間でない気配とね」
「関係あるかも知れないわね」
「どうもね」
「そう思えて仕方ないわ」
どうにもとだ、二人で話した。そしてだった。
赤音は春奈にさらに言った。
「先生達に何もないといいわね」
「そうね、妖怪退治をしても怪我をしなかったら」
「そうだったらね」
「いいわね」
「私達がどうにも出来ないことかも知れないけれど」
「それでも」
「何もなかったら」
いいとだ、二人で話した。そうしたことを話しながらだった。赤音は春奈をクレープ屋の前まで案内したのだった。
第十七話 完
2018・1・24
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