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コバピーハザード!
第一章「災難の始まり」
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とをボケッと考えてる場合じゃなかった。
「ダディ、早くリツさんを!」
「あぁ、そうだった。」
 気の抜けるような声で父は答えると、二人で煙漂う研究室へ入ろうとした。
「先生、入っちゃダメですぅ!」
 その時、中から何とも危機感のない声で、リツさんが僕達が入るのを止めた。
「リツさん、中で何かあったの!?」
「それなんですがぁ、あ…!」
 研究室の奥から、何やらワラワラと声がする…。
「な、なんだ…?」
 父もさすがにビビってるようで、恐る恐る中へと入って換気扇のスイッチを入れた。
 換気扇は見る間に漂う煙を外へと追い出し、段々と視界を鮮明にしていったが、そこにあった光景があまりにも想定外だったため、僕と父は顎を外しかけた。
「なんじゃこりゃっ!!」
 そこには…<僕>が山のように存在していた。ってか、居やがった!
「おい、ダディッ!テメェ何研究してたんだ!?」
「だからぁ、我が三頭身の息子のために友達でも…」
「って、これ僕じゃないですかぁ〜!何かまだ奥の機械からニョキニョキ出て来てるんですけどっ!?」
 これは量産型ですね!一家に一台コバピーを!!って、いらねぇよっ!!
「あ、変なのがいるぞ!」
「ほんとだ。三頭身なんておっかしぃ!」
 何か面白い玩具でも見つけた子供のように、僕のコピー達が一斉に喋り始めた。研究室は彼らの声で充満して、耳がキンキンと痛くなった。
 僕と父はあまりの五月蝿さに、この声の中から出ようとした時だった。
「あ、変なのが逃げるぞ!」
「逃がすな!」
 コバピー擬き達は目を光らせ、出ようとする僕達へと迫ってきた!
「逃げるぞ、ダディ!」
「アイアイサ!って、あ…。」

-カプッ!-

 走り寄ってきたコバピー擬きに、父が手に噛みつかれてしまいました…。
「ダディ!」
 噛まれた父はその瞬間、他の擬き達と同じ様に三頭身になり、姿まで僕そっくりに…。
「嫌ぁぁぁぁ〜ッ!!」
 気持ち悪…。これはかなりの確率で気分を害する現象だ!
「ってか、自分の姿なのに気色悪いなんて!」
 僕は仕方なく、直ぐ様研究室の扉を閉めて非常用ロックを掛けた。
 中ではコバピー擬きが暴れているようで、ドタバタと大きな音が響いている。

-ドンドンッ!-

 中から出せと叩いているが、この扉はそう簡単には開きません。
「はぁ〜……。なんでこんな目に…。」
 その時、玄関のチャイムが鳴らされた。
「全くこんな時に…!よし、居ないふりっと…。」
 それでもチャイムは鳴り止むことなく続いている。そして…

-ドカッ!!-

「うひょ〜!玄関のドアが!」
 ぶち壊された…。そしてそこから悠然と出現したのは…。
「けぃ様が登場してやったゼ!」
「やったゼじゃねぇよっ!」

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