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渦巻く滄海 紅き空 【下】
三 瓦解
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邪魔されるのは興覚めだ」

意識を失った我愛羅を起爆粘土の巨大鳥に捕らえさせたデイダラは、風影を取り戻そうと躍起になっている真下の砂忍達を面倒臭げに見下ろした。

「ノルマはクリアしたし、さっさとずらかるか…いい加減、サソリの旦那も待ちくたびれてる頃だしな、うん」

起爆札が貼られた矢が飛び交う中、デイダラの乗る巨大鳥が里の出入り口へ向かう。


由良隊長率いる警備部隊が固めていたその場所は、既に死体の山で埋め尽くされている。【潜脳操作の術】で失っていた記憶を取り戻したサソリの配下である隊長の由良本人が、自ら全滅させたのだ。


見張り一つない無防備な殺戮地帯へ、デイダラは死体の山を尻目に悠々と降り立った。
途端、待ちくたびれていたサソリが間髪を入れず、デイダラを攻撃する。

「おせぇぞ!!待たせんなって言ったろ!」
頭上を通り過ぎた鎌の如きソレに、デイダラは肩を竦めた。

「坊を見習え!アイツは時間厳守だぞ」
「ナル坊と一緒にすんなっての、うん。結構強かったんだ、コイツ」

捕獲したばかりの我愛羅を、デイダラは顎で指し示す。
彼の左腕の袖が所在なく靡いているのを目に留めたサソリは、ハッ、と鼻を鳴らした。

「片腕一本で済んだなんざ、安いもんだろーが」
「そっちは?」
「バッチリだ!それより止血くらいしろ、見苦しい」

はためく左袖を鬱陶しげに見遣るサソリに、デイダラは「ナル坊に治してもらうから別にいいだろ、うん」と横柄に答える。

「お前…坊に甘えんのもいい加減にしろ」
「その台詞そっくり返すぜ、旦那。旦那だってナル坊に手土産貰ってたじゃねぇか。羨ましいぜ、うん」
砂隠れの里の出入り口での口論は、追い駆けてくる砂忍達の足音で一端途切れた。


「とにかく引き揚げだな、うん。そういや、旦那の部下はどうした?」
「由良なら先に行かせた。お前があまりに遅いんでな」
「サソリの旦那…いつまでも根に持つ男は坊に嫌われるぜ、うん」
「ぶっ殺すぞ」

軽口を叩き合いながら、外套を翻す。
黒地の中心の赤い雲模様が、月下にて異様に赤黒く浮かんでいる。


砂隠れの里内部を透かし見るように、サソリは一瞬肩越しに振り返った。即座に顔を、辺り一面に広がる砂漠へ向ける。それきり、彼が振り返る事は無かった。
背後で爆音がし、悲鳴が聞こえても、彼らは立ち止まらない。


「サソリの旦那のトラップに引っ掛かったようだな…うん」
「当たり前だ。引っ掛かるように作るのがトラップってもんだ」
「そりゃそうだ」

大方、追い駆けてきた砂忍が、死体を不用意に動かしたのだろう。罠として、由良が全滅させた部隊の亡骸に仕掛けておいた起爆札がまんまと爆発したのだ。

爆発音と閃光を背にして、砂漠を這
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