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渦巻く滄海 紅き空 【下】
二 怪しい雲行き
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、当たり障りのない一言だった。

「…なんつーか…変わったか、おい」
「変わりすぎよ!なに、この胸!」
シカマルの言葉に反応したのは、ナルが来る前に火影室にいた山中いの。
現在、綱手の弟子として修行に励んでいる彼女は、可愛い妹分のようなナルの成長っぷりに聊か抗議の声を上げた。

「なにしたらそんなでかくなるのよ、教えなさい!」
「…ちょ、いの…!?やめ…ッ」
自分の胸を鷲掴みするいのにナルが戸惑う。彼女の声とその胸を目の当たりにしたシカマルは、気が遠くなりそうになった。

「…あ〜、いの。止めてやれ。健全な青年には刺激が強すぎる」
天の助けか、綱手がいのをやんわりと止める。その言葉にハッとしたいのは慌ててナルから離れた。
「なんじゃい、も〜ちょっとしてくれてもよかったのに…残念じゃのう」
「あんたは!何を期待してるんだいっ!」
残念がる自来也を、綱手が拳で黙らせる。痛みに悶える自来也を、綱手はじろりと睨みつけた。

「…お前、ナルに手を出してないだろうね」
「ん〜…?どうかの〜??」
へらへらと笑う自来也に、ナル以外の全員が冷たい視線を投げた。冷ややかな眼を向けられ、自来也は慌てて弁解する。

「っ、あ、安心せえ!中身は12歳の頃とまっっっったく変わっとらん!」
「「「「「あ、やっぱり…」」」」」
「…エロせんに〜ん…」
恨みがましくガクリと肩を下げるナルを見て、室内全員の心は一致した。
(((((つまり、鈍いままか…)))))


男と女の違いや、彼女に向けられる好意をまっっっったく理解していなかったあの頃と同じ。
しかも立派な女の身体となった今となっては、余計タチが悪い。
これから先苦労するのが目に見えて、シカマルは溜息をついた。

その横から、沈黙を貫いていたテマリがナルに声をかける。
「…ずっと考えていたんだが」
「…あ!テマリ姉ちゃんだってば!久しぶりだってばね!」
「ああ、久しぶりだな。憶えていてくれたのか」
「あったり前だってばよ〜!すっげ〜美人さんがいるって思ったってば!前も美人さんだったけど、ますます綺麗になっててびっくりしたってばよ!」

(…いや、びっくりしたのはお前のほうなんだが。つか、フェミニストぶりも変わってねえのな、めんどくせ〜)といったシカマルの思考は、次のテマリの一言によって中断になった。


「ふふ、義妹は口が上手いな。よし、お義姉さん・義姉さん・テマリ義姉…この中からどれでも好きなのを選べ」
「おい!!」
思わず声を荒げたシカマルを、テマリは一瞥する。

「…なんだ」
「…なにが義妹だよ」
「我愛羅の嫁になるのだから、私の義妹になるのは当然だろうが」
「は!?なにが当然だよ!勝手に決めんな!!」
「お前に口出しされる覚えはな
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