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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第1話 「異なる世界」
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、今の件で苛立ちを覚えた俺は、そのことを言葉にしながらアリシアの両頬を引っ張る。彼女はすぐさま謝りながらやめてほしいと言ってきたが、すぐにやめては今後舐められる恐れがあるし、また反省しないかもしれない。そのため5秒ほどは継続した。
「うぅ……ひどいよ。もうわたしお嫁に行けない」
「これくらいで行けなくなるわけないだろ」
まったく、フェイトと違って茶目っ気のある奴だな。
とはいえ、まあアリシアのおかげで体についての疑問は解消した。大人から一気に小学生……具体的に言えば、小学3年生くらいの背丈になったせいで違和感は拭えないが。
まあそれでも人間には適応能力があるし、一度は経験したことがある感覚だ。時期に慣れるだろう。
……問題はこれからだな。
俺の背丈やこの世界に送り込まれることになった経緯から考えて、今の時期はジュエルシード事件が始まる前だろう。
数年後に起こる出来事を考えると、あの子を魔法に関わらせないという選択肢もあるが、それではジュエルシードや闇の書を巡る事件が俺の知る流れとは大きく異なることになる。
そうなると介入は難しくなるし、フェイトの交流関係に支障が出る可能性も大きい。
フェイトがジュエルシード事件を乗り越え、笑えるようになったのはなのはの存在が大きい。どれくらい流れを変えられるか分からない以上、下手に流れを変えるのは危険か……。
「難しい顔してるね。もしかしてまだ痛いの? 痛いの痛いの飛んでいけ! ってしてあげようか?」
「いい。君からされても惨めになるだけだ」
「む……そういう言い方しなくてもいいじゃん。そっちだって子供なんだから」
「君よりは大人だ」
「そんなの見た目と実際に生きた時間だけだよ。わたしのほうが早く生まれてるもん!」
生まれてるもんって……こういうところにムキになってる時点で年上のようには思えないんだが。見た目も俺よりも小さいし、アリシアのほうが大人だと思うのは無理があるだろう。
「そんなことよりこれからどうするんだ?」
この世界からすれば、俺やアリシアは本来存在しなかった異物。
俺の体を小さくしたように不思議な力が働いている可能性はあるが、戸籍があっても住居がないといった可能性は充分に在り得る。
正直……住む場所とかなかったらかなり困るぞ。ここは地球みたいだし、平日の昼間に子供が出歩いていたらおかしい。
アリシアあたりは見た目が外国人だから旅行で来ているなどと思われるかもしれない。が、黒髪黒目の俺は完全にアウトだろう。両親のことを考えるとハーフなのだが……アリシアと一緒に居ても兄妹に思われるかは怪しい。
そもそも……ジュエルシード事件のことを考えると、アリシアの姿をあの子達に見られたりするのは不味いだろう。
ここに居るアリシア
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