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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第2話 「これからの居場所」
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住所を見たときから何となく分かっていたのだが、地図どおりに進んだ先にあったのは俺のよく知った家だった。玄関の近くの標識には『夜月』と書いてある。
分かりやすいようにしてくれたのか、それとも一種の嫌がらせなのか……まあ深く考えても仕方がない。そう思って、玄関を開けよう手を伸ばす。
――ちょっと待てよ。
本当にここで合っているのだろうか。夜月なんて苗字がそうそうあるとは思えないが、可能性はゼロではない。もしかすると場所を間違っている可能性も……。
「……アリシア」
「なに?」
「もう1回地図を見せてくれ。念のためここで合ってるか確認しておきたい」
またからかってくるか、とも思ったが、アリシアは素直に地図を渡してきた。
もしかすると、先ほど置いて行かれそうになったので懲りたのかもしれない。一時的なものかもしれないが。
「……うん、ここで合ってるな」
「そっか。じゃあ、さっそく入ろう。なかなか立派なお家だよね」
立派と言われて悪い気はしない……が、ここは俺の知る家に外観がそっくりというだけであって、中身まで同じとは限らない。そもそも、ここには俺の家族がいないのだから中身が同じであるはずはないだろう。
「……あれ?」
「どうした?」
「鍵が掛かってる。ねぇ、鍵持ってる?」
「持ってるわけないだろ」
俺は突然あの空間に呼び出されて、身ひとつでここに来たんだから……って、玄関周りに鍵がないか探すんじゃない。活発なのは一般的に良いことだけど、そういう活発さは今すぐ捨てろ。
というか、スカートを履いているのに無防備になるなよ。この街の治安は良いけど、世の中には小さな女の子が好きだって連中もいるんだから。
「あれ? あなた方は……」
耳に届いた第三者の声に振り返ってみると、薄茶色の髪を短めに切り揃えている女性が買い物袋を片手に立っていた。
アリシアは今しがたまで取っていた行動に罪悪感を感じ、彼女に怒られるとでも思ったのか俺の背中に隠れる。隠れるくらいならば最初からするなと言いたい。
「もしかして……ショウさんとアリシアさんですか?」
「え、はいそうですけど」
俺はこの女性に前の世界で会ったことはない。
ただ……俺やアリシアの名前を知っていることから判断すると、神が用意した協力者だろうか。ここに行くように指示されていたことを考えると、その可能性が大だろうが……。
「それはすみませんでした。今日来るとは聞いていたのですがタイムセールがあったもので……すぐに開けますね」
女性は一度笑顔を浮かべると駆け足で玄関に近づいて鍵を開ける。
先に入ってもらったほうが入りやすかったのだが、俺達が子供ということで気を遣ってくれたのか、彼女は扉を開けたまま中に入るように
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