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決して折れない絆の悪魔
悪魔たちの戦場
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じゃなくてオイル出てるよ」
「ん?おお本当だ」

ミカに言われて乱入者の右腕痕を見てみるとそこからは搭乗者の血では無くオイルが止めど無く溢れ出している。てっきり人間が動かしていると思っていたがあれを見ると無人機という事になる、ISは人が乗らなければ動かないという常識を外れた存在になるがそんな事どうでもいい。自分達からしたらただ倒すべき敵である事に変わりはない。そして同時に乱入者の身体をズームで見た事で頭部に刻まれている文字を読み取れた。

「OPT-IS-PX1……グレイズ・クリミナル……?」
「何それ」
「いやなんかアイツの頭に書いてあった」
「グレイズ……?」

乱入者、いやグレイズ・クリミナル。それが無人機の名、和訳するとイカれた罪人。此処に送り込まれたのは罪を犯した罰だとでも言いたいのだろうか、ならば裁いてやろうではないかその罪とやらを。悪魔の名を冠するISで。

「まあどっちにしろあいつは此処で終いだ」
「うん、次も一夏、やるよ」
「おう」

会話を終えると拳をぶつけ一気に走り出した、グレイズは機関銃を乱射しながらこちらに接近してくる。弾を避けるように大きく回り込み互いがグレイズを挟んで対局の位置になると一気にスラスターを吹かして急加速する。グレイズは動きを止めて迎え撃つ体勢を取る、アスタロトはソードメイスの持ち手を少し回してから一気に引き抜きデモリッションナイフへと移行しメイスカバー部分を思いっきりグレイズ目掛けてぶん投げた。

『……?』

グレイズは残った左腕の斧を振り上げるようにしてメイスを弾いた、だがそれによって腕が伸びきった。アスタロトは取り回しのために折りたたまれているデモリッションナイフの刀身を伸ばし左腕の肘の関節目掛けて思いっきり振り切った。

『……!!、!?』
「機械の癖に痛がるなよ」

見事に左腕は肘を切断され斧ごと地面へと落ちる、それによってグレイズは体勢を崩すように後ろに下がったが同時に接近していたバルバトスはメイスで脚部を潰すつもりで膝の裏に叩きつけた。装甲は拉げフレームをも歪ませる一撃でグレイズは仰向けに倒れた。必然的に上を見る事になったグレイズは機体の制御を行い上昇を開始し始めるが遅かった。上空にはメイスカバーをナイフに突き刺し直したアスタロトとメイスを構えているバルバトスがいた。

「これでっ!!!」
「終わりッ!!!」
『ッッッッッ!!!!!』

まるで悲鳴を上げるような鉄の犇きがする、罪人が許しを乞っているかのようにも思えるが悪魔は容赦しない。一気に加速した悪魔たちはメイスを叩き付けた。アスタロトは殴り付けるかのように、バルバトスは突き刺すように、叩き付けた。―――刹那、バルバトスのメイスの先端のニードルがグレイズに発射されるように突き刺さった。

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