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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十一話 トラブルメーカー達
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部の次長になるだろうと言われているそうです。

中将にとってはこの防衛戦は今後の未来を決めるものです。当然勝ちたい、そう思っているのでしょうが困った事は中将には実戦経験がほとんどありません。中将の周囲もその事で中将に不安を持っています。

中将も当然それを理解しています。そして中将はそれを見返したい、それを可能としてくれる有能な参謀が傍に欲しいと思ったのだそうです。特に中将が望んだのは後方勤務出身の参謀でした。

統合作戦本部、宇宙艦隊出身のエリート参謀では自分を馬鹿にするかもしれません。それでは意味は無い、自分を親身に補佐してくれるのは後方勤務出身の参謀……。中将は軍上層部に後方勤務出身の参謀の派遣を要請しました。そしてヴァレンシュタイン少佐と私が選ばれたそうです。バグダッシュ少佐が教えてくれました。

セレブレッゼ中将が表情を一変させ心配そうな表情で尋ねてきました。
「状況は聞いているかね、ヴァレンシュタイン少佐」
「はっ、今月に入って帝国軍はイゼルローン要塞に集結中と聞いています。近日中にヴァンフリート星系に押し寄せるものかと想定されます」

少佐の言葉にセレブレッゼ中将の顔がますます曇りました。
「目的はこの基地の破壊か……」
「その確証は有りません。或いは帝国軍は基地の存在を知らない可能性も有るでしょう。同盟軍がこの星系に居る、ただそれだけで攻め寄せる可能性もあります」

ヴァレンシュタイン少佐が平静な口調で中将に答えました。中将は“その可能性もあるか”と言うと何度か頷いています。そして少佐はそんな中将を黙って見ていました。少佐の視線に気付いたのでしょう、セレブレッゼ中将が小声で問いかけてきました。

「しかしあれだけの装備を持ってきたのだ。本当は攻め寄せてくると思っているのだろう? 少佐。本当の事を教えてくれんか?」
何処となく内緒話をするような口調です。でもヴァレンシュタイン少佐は表情を変えませんでした。

「帝国軍が攻めてくるかどうかは現時点でははっきりしません。ですが何時までも基地の存在を隠せるわけではありません、いずれは帝国軍に見つかります。今回使う事は無くとも必要になる装備です」

「なるほど……」
ちょっと中将はがっかりしたようです。少佐が“実は……”と言ってくれるのを期待していたのかもしれません。

「閣下、装備の確認をしたいと思いますので……」
「ああ、分かった、行ってくれ。貴官達があの装備を持って来てくれた事で皆の士気も上がっている。頼りにしている」
「はっ」

セレブレッゼ中将の元を退出するとヴァレンシュタイン少佐は基地の保管庫に向かいました。私とバグダッシュ少佐もその後を追います。保管庫には多機能複合弾、近接防御火器システム、地対地ミサイル、集束爆弾等が運び込まれて
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