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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四話 アルレスハイム星域の会戦
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送計画をヴァンフリートから逆に追う事でようやく理解できた。大したもんだ、計画したのはシンクレア・セレブレッセ中将かな?

まあそんな訳で同盟としては帝国にヴァンフリートの基地建設を気付いて欲しくない。だから帝国の眼をヴァンフリートから逸らすためにアルレスハイムへ艦隊を動かしたわけだが、此処で俺を役立てようと考えた人間が居る。あの根性悪でお調子者のバグダッシュだろう。

俺がスパイなら当然帝国軍の眼はアルレスハイムに行くだろう、ヴァンフリートは安全だ。それに俺にハイネセンでスパイ活動をされるのも面白くない。第四艦隊に隔離したほうが安全だ、そんな事を考えたに違いない。

当然だが第四艦隊司令部にも俺の事は伝えたのだろう。スパイの可能性が有る俺が居る以上、何時帝国軍が攻撃をかけてくるか分からないと。おかげで第四艦隊司令部の俺を見る眼は冷たい。というわけで俺は日々御菓子を作ってお茶を飲んでいるのだ。

残念だな、バグダッシュ。俺はスパイじゃない、だから帝国軍の眼はアルレスハイムには向かない。しかし此処でカイザーリングが出てくるはずだ。サイオキシン麻薬でラリパッパのアホ艦隊だ。

宇宙暦792年、帝国軍カイザーリング中将の艦隊がアルレスハイム星域で自分たちより優勢な同盟軍を発見した。カイザーリングは奇襲をかけようとしたが、艦隊の一部が命令を待たずに暴走、数で劣る帝国軍艦隊は同盟軍艦隊の反撃に遭い、6割の損傷を出して敗走している。

暴走の原因だが補給責任者であるクリストファー・フォン・バーゼル少将が艦隊にサイオキシン麻薬を持ち込み、それが気化したことから兵士が急性中毒患者となったためだ。

原作どおりに行けば同盟軍の大勝利で終わるだろう。俺も異存は無い、同盟の勝利は望むところだ。勝利はお前らにくれてやる、俺は別なものを貰う。どっちが得をするのか、後の楽しみだな。



宇宙暦 792年 8月30日 第四艦隊旗艦 レオニダス  ミハマ・サアヤ



「完勝だな」
「はい、こうまで楽に勝てるとは思いませんでした」
第四艦隊司令官パストーレ中将と参謀長のタナンチャイ少将が話しています。二人の声は何処か弾んでいて艦橋の雰囲気も極めて明るい。私も実戦は初めてだけど、初陣が勝利なのは素直に嬉しいです。

スクリーンには破壊され放棄された帝国軍艦艇が映っています。アルレスハイム星域で同盟軍第四艦隊は帝国軍と接触しました。同盟軍第四艦隊九千隻に対し帝国軍は六千隻。第四艦隊は一部が別行動を取っていたけれどもそれでも敵の五割増しの兵力、勝利は戦う前から見えていました。

あっけない勝利だったと思います。初陣の私でもそう思える勝利です。戦闘が始まるや否や帝国軍艦隊の一部が他の部隊を考慮しない形で同盟軍に突進、攻撃を開始してきました。統
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