第十章『忠告と贈り物と・・・・・』
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あぁん?なにが?」
巫女が『あぁん?』などと言っていいものか。
「紫さんの説教。そもそも、俺らに用があって来たみたいですから。だから」
「ったく、しょうがないわね。これで許したと思わないでね!」
「霊夢は小言ばかり言って疲れるわ。そんなんじゃ顔にしわが出来るわよ」
「なんですって〜ッ!!」
収まり掛けた怒りに油を注ぐ紫。
怒る霊夢を宥めつつ輝は用件のことを聞いた。
「で、御用は?」
「今のままじゃ駄目だと思って三人にプレゼントをあげに来たの」
「今のままじゃ・・・・駄目?」
「フフ・・・そう、今のままだと三人ともすぐに死ぬわ」
死というキーワードを聞いて輝は驚きそして恐怖を感じた。
外の世界だと死という恐怖は感じなかった。今まで死の窮地に立っていないからだ。頭では死は怖いと考えた事はあっても感じたことは無かった。
だけどここは幻想郷。妖怪、死神、幽霊などがいる。他にも輝が知らない何かがいるかもしれない。
自分で妖怪が好きといっている輝だから分かる。どの妖怪が危険であるかないか。妖怪に出会えて浮かれていたから忘れていたが全ての妖怪が温厚である筈がない。紫に言われて今置かれている現状に恐怖を感じていた。
「な、なんでそんな事を決めつけるんですか。俺には能力が」
「輝は妖怪に詳しいのよね?」
「え・・・」
「もし牛鬼に出くわしたら輝は勝てるの?」
「・・・ッ!」
確かにそうだ。
屍を探している間に食い殺されてしまう。仮に出したとしても勝てる保障は何処にもない。
「か、勝てません・・・・」
「素直でよろしい。だから受け取ってもらえる?」
ここでいいえと言えるだろうか。
いいえと答えたらそこで命を捨てたと同じだ。
「ゆかりん、ちょっと質問なのだが」
「ん、なに?」
「俺には能力がまだ目覚めてないからゆかりんの力で何とかしてくれ」
「え、そんなことも出来んの?」
「ああ。紫がちょちょいっとやれば可能だ」
風の説明を聞いても信じられない。
そんなことが可能なら紫は何者なんだ。
「確かに。私がちょちょいっとやれば出来るけど」
「なら」
「けどダメ」
「え――――ッ!?」
返答が意外だったのか零はかなり驚いている。こんな零を見るのは初めてだ。
「ちょっとそれ・・・・マジか?」
「マ・ジ♪」
「零、諦めろ」
「いやいやいやいや、コレばかりは冗談なしに俺死ぬッ!」
「死亡フラグ決定だな」
「決定じゃねぇよ!つか建ててもいねぇし!!」
いつもと立場が逆転している。中々見られない光景だ。
「そんなお困りの貴方に丁度良い武器があるわ」
困らせたのはアンタだろ。
紫は持っていた扇子で輝たちの前を撫でるように滑らすと空間が裂け、裂け目が開き中は無数の目が
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